東京学芸大学附属大泉小学校は、本年度は試験前の
女子の一次考査(抽選)は行われませんでした。
志願者全員が試験を受けることができました。
男子も昨年同様9割の通過でした。
通学区域の「自宅から片道40分」という制限がとても厳格で、昨年までは出願をしていたエリアの方も、願書提出を控える傾向が見られました。
試験は2日間。日程も小金井と同じです。
試験時間は男子は午前、女子は午後で、例年通り
でした。
初日は「ペーパー試験」「運動、集団指示行動」。
2日目は「面接」です。
1日目
「ペーパー」は2枚で、
「お話の記憶」と、
土の中にできる野菜を選ぶ。
外国人のお友達と砂場遊びでの関わり方を選ぶ。
狭い道で車椅子の人にあなたならどうするか。
積み木の家の絵を見て、使う積み木を選ぶ。
屈伸、グーパー、手拍子、その場足踏みの準備運動
2人ひと組での「割り箸運びゲーム」
ケンケンパーとポーズ。
先生の真似をして曲に合わせて踊る模倣体操。
例年通りの出題傾向で、お話の記憶、理科的常識問題、日常的常識問題、図形の構成問題等、ペーパー試験は易しいものでした。
運動も、リズム、ケンパ、屈伸等の指示運動は例年通りでした。
2日目
「面接」はまず、3人ずつお教室に入り、
一人ずつ「おはじき」を使って、布の上に、乗り物や動物を作る。
時間が足りず、全部のおはじきを使いきれなかった様子です。
その後、一問ずつ順番に答えます。
・名前
・泣いている顔の絵、笑っている顔の絵、怒っている顔の絵を見て、
「それぞれどう思っていると思いますか?」
「どう声をかけますか?」の質問。
・きつつきが木をつついている絵、扇風機の絵、先生と子どもが遊んでいる絵、積み木の絵、おせんべいの絵のカードを見て、「何の絵ですか?」
「お母さんと何をするのが楽しいですか?」
「その時どんな気持ちですか?」
例年とは違い、面接が終わると、保護者も教室に入り、お子さんの横に立ちました。質疑はありませんでしたが、お母さまのご様子はしっかりと観察されたはずです。
待ち時間には、在校生のお兄さん、お姉さんがクイズ等でもてなして下さって、リラックスしすぎて緊張感に欠けたお子さんもいらしたことと思います。
やはり、おはじきの製作にしても、作品の出来栄えよりも、使ったおはじきを手早くしまい、敷き物をきちんとたためるかどうかが大切です。
これは日常的に「お片づけ」が習慣化されていませんと、手早くできるものではありません。
そして、自分が作った作品をきちんと言葉で説明できなくてはなりません。
これは私立でも早実等でよく見られる考査です。
待ち時間には、姿勢を正して座って「待つ」ことも大事です。グループによって長い待ち時間になることもあります。本年度の学芸小金井にしても成蹊小学校にしても、一つの課題として「姿勢」を正す課題が出ています。
私ども授業をする立場の者は、集団の中での一人の動きがとても目立つものだということはよくわかっておりますが、ご家庭では、生活の中で動作が流れていくので、お子さんのじっとしたままの姿勢をお母さまが見る機会は意外と少ないものです。お子さんがいつも動いていても、あまり気にならないかもしれません。
あと大事なことは、ペーパーにしても、お友達とのゲームにしても、運動にしても、製作にしても、お約束(指示)を守れるかどうかです。
「きちんと先生のお話を聞いて理解して、その通りに行動すること」
試験の二日間は最初から最後まで「指示」を聞いて進めることばかりです。
これは小金井や竹早小学校と同じですし、私立小学校も国立小学校も何ら変わりはありません。
そして「面接」の受け答えで、ご家庭が見えてしまうことも私立小学校と同じですね。
求められるのは、
きちんとしつけられた、人のお話がよく聞ける、子どもらしい子ども。
簡単そうでいて、簡単ではありません。
これから、年長クラスの一回一回の授業を大切に積み重ねていきたいと思っております。