クライマーズ ハイ | mizのブログ

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結婚してからというもの、これまでのように給料ほとんどを自分のために費やすことができなくなりまして(泣)、

本を買うのも古本をチェックして……みたいなことが通常となりました。



ただ、今回買った本は、ちょうど今映画が公開されてまして、皆さんお買い求めになるんでしょうね。

ア○ゾンに出てくる古本相場はちょいと高めで、送料考えると新品買ったほうが安上がり。



ってなことで、いつも立ち寄る本屋で買ってきました。

『クライマーズ ハイ』横山秀夫


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1985年、御巣鷹山に未曾有の航空機事故発生。衝立岩登攀(とうはん)を予定していた地元紙の遊軍記者、悠木和雅が全権デスクに任命される。一方、共に登る予定だった同僚は病院に搬送されていた。組織の相剋、親子の葛藤、同僚の謎めいた言葉、報道とは――
あらゆる場面で己を試され篩に掛けられる、著者渾身の傑作長編。(背表紙より)







航空機事故としては世界最大最悪の520人もの犠牲者を出した、日航ジャンボ墜落事故は、当時中学生

だった自分の記憶にも残っている出来事です。



本書の中にも出てきますが、墜落した翌日に生存者発見、救助の模様をテレビで生中継したことはすごく

記憶に焼き付いています。助け出されたのが同い年くらいの女の子だったこともありますが。




こうした一大事件が、まさに目の前で起こっている。若手記者はこれまでにないモチベーションで昼も夜

もなく働くが、一方で旧態然とした保守的な上層部。そのハザマに置かれる主人公というような構図があ

って、さらには社内における派閥抗争、主人公自身の家族や過去に関することなどが絡み合って、主人公

を蝕んでいく。


いや、蝕んでいくというよりも、興奮状態の極限まで達して、独裁者的な社長を含めた上層部や、クビに

なることなどへの恐怖感がなくなる、まさに「クライマーズハイ」の状態になっていたというべきか。






物語は、事故から17年後の2002年から始まる。主人公・悠木は17年前に同僚・安西と約束して

互いに果たすことのできなかった約束を果たそうとしている。谷川岳・一ノ倉沢の衝立岩登攀。

長年クライマーたちをして、「不可能の代名詞」と言わしめた岸壁へのチャレンジを、57歳になった

悠木が安西の息子と果たそうとしている。


17年前に果たせなかったのには理由があった。自身は、登攀前日に発生した未曽有の航空機事故のため、

安西は時を同じくして病院に搬送されていた。クモ膜下出血。



57歳の悠木は思い出さずにいられない、あの暑い夏を……







すごくアツいドラマです。主人公自身もアツい男なんですね。言い方を変えれば不器用な生き方しかできない。

上司に対しても直球勝負。最愛の息子にも優しい言葉一つをかけることができない。

しかし、同僚たちはみんなわかっている。だからみんな悠木についていく。




この物語も、基本的には架空の新聞社が舞台なんだけど、作者はもともと群馬・上毛新聞の記者。この事故

のときも現場に赴いているんですね。だから、現場へ辿り着くまでの苦難や現場の悲惨さ、そして報道

機関としての事故時の緊迫感など、すべてが事実に裏打ちされたフィクションだから、関連する人々の

描写ってのもすごくリアルなものに感じました。





大変面白かったし、感動した。35歳~40代前半の中間管理職の皆さんには大変共感できるのではない

かなぁ、と思います。