目の前の机の上には白いかみ。
白いかみをただじっと見つめる。
見ているうちにだんだん頭がふわふわしてくる。
見ようとすればするほどに、ぼんやり重くなっていく。
白い白い、真っ白なかみ。
何が見える?白いかみに何を見る?
白いかみの向こう側。
何があった?何がいた?
何にもないはずの向こう側。
私には見えた。ぼんやり見えた何かの影が。
もやのような何かの影が。
じっと見つめる。ぼんやり見つめる。
だんだんだんだん形をもって、かみの裏側で蠢き出す。
徐々に焦点が合わなくなって、世界が遠くに感じてくる。
でもね、まだまだ大丈夫。
今はまだ、瞬きをすれば戻るから。
白いかみの向こう側。
何かの影に手を伸ばす。伸ばせど探せど届かない。
ただじっと、白いかみを見続ける。
近づいているような遠くなっているような。
影はただただ蠢くだけ。
影をじっと見続ける。白いかみを見続ける。
頭の奥がじんと痺れて何も考えられなくなる。
白いかみがある。真っ白なかみ。
これは窓?違う。これは扉?違う。
これは入口?違う。これは出口?違う。
これはただの白いかみ。真っ白なただのかみ。
本当にただの白いかみ?これはただの白いかみ?
蠢く影は消えないままで、それでもこれは白いかみ。
何かがこちらへ来ることは出来ないはずの白いかみ。
白いかみをじっと見ている。
ただの白いかみをじっとずっと。