あなたが語る未来に私がいないことに気づいたのはいつだったろう


私が語るあなたとの未来にあなたは

いつも困ったようにそうだねと微笑んでいた


あれからいくつも季節が巡った

それでも貴方は私の隣にいる


どうして?その質問はそっと飲み込む

答えを聞くのが怖いから



未来を夢見るのが怖い

またいなくなると思うと

だから僕は君との未来を夢見ない

傷つくのが嫌だから


いつしか君は未来を語らなくなった

君が離れていく未来を一人の未来を覚悟した


あれからいくつも季節が巡った

それでも君は僕の隣にいる


どうして?その質問は言わない

答えを聞くのが怖いから



二人で囲む和やかな食卓

ずっとこのまま そんなことを夢見る前に

この温もりを愛しさが当たり前になる前に

そう思っていたのに



二人の未来を語らないまま先の約束をしないまま 緩やかに時が過ぎていく

流されるまま でも決して溺れないように

この関係になんて名前をつけようかなんて

答えは聞きたく無いけれど



形を作ると壊れてしまうから

形のないままがいい



君の好意に甘えている

それでも僕は君の手を離すことは出来ない

あなたの行為に甘えている

それでも私はあなたの手を離すことは出来ないの


お似合いだと人は言うけれど どうだろうね?

答えは言わない





好きだから笑って欲しい。

恋をしているから守りたい。

愛しているから共に

そう夢見てしまうほどに。

僕らは無知で無邪気で無垢だった。


幸せだといえる人生を送る為にはどちらに進めばよかったんだろうね?


綺麗に飾り立てられたお人形。

どれほど外面を綺麗に飾り立てたとしても醜い内面で全て台無しだ。


優しい言葉をかけないでよ。

自分が余計惨めに見えるから。


君との幸福な記憶が増えていく度に死にたくなるんだよ。


君は誰に愛を求めてるの?

いや、何にそれを求めてるの?


言わないで。聞かないから。

だからあなたも聞かないで。


あの人のようになれたなら自分を愛することが出来るのかな。

ねえ誰か教えてよ。


突き放しても突き放してもどうして君は追いかけてくるんだ。

せめて綺麗に死にたかったのに。


幸せになってはいけないんだよ。

君は幸せになってはいけないんだ。

そうだろ?


この世に変わらないものは無いという事実だけが不変なの。


悪役になりたくないって言ってるお前の方がよっぽど悪役だ。


死ねるほど強くなければ狂えるほど脆くもない。

あなたって本当に可哀想な人。


これからも先もずっとという不確定な希望より、もう二度とないという絶望が欲しい。


だから、さよならをしようか。





最初はただの気まぐれだったのだ

気まぐれでとある少年の”願い”をかなえてしまった

そのただの気まぐれが一つの世界を作り出した


それはそんな世界のお話



何もない青く透明な世界にポツンと一つの夢が転がり落ちました

夢は何もない空間をふわふわと漂っていました

ここはどこなんだろう なぜ自分はここにいるんだろう そもそも自分とはなんなのだろう

そんな事を考えながらふわふわと長い間漂っていました


ある日 夢は気づいてしまいました

ずっと側にいてくれた何かが足りない事を

夢は寂しいに気がついてしまいました


そして夢は泣き始めました 


みるみる涙は溢れ大きな大きな水たまりになりました

それでも夢は泣き続けました

水たまりはやがて湖にそして海となりました

それでも夢は泣きやみませんでした

胸にぽっかりと開いていた穴

いままで忘れていたそれに気づけなかった自分に腹が立って

それでも思い出せない自分が悔しくて

体が沈んでもずっとずっと

涙は夢を囲むよう静かに包んでいきました


長い年月が過ぎました

そのうちに夢は大きな穴を抱えぽっかりとうつろになっていきました

そんな時 何かが空から落ちてきました

それは種でした

種はその涙の海に触れると

夢を包み込むように大きく根を伸ばしました


樹の腕の中はとても暖かでした

そのぬくもりは胸の中に空いていた穴を埋めるように夢を癒していきました

そして泣き疲れていた夢は眠りにおちました

波に揺られて樹に抱かれてゆらゆらと

まるで 胎児のように

意識が溶ける間際 夢は願いました

この時が永遠に続きますように と

眠りにおちた夢からトロリとすべての色が抜け落ちました

それは混ざり合い黒となりそして全てを包み込むような深い闇に姿を変ました

闇は夢と樹を優しく撫でるように滑り降ると水の底へと沈んでゆきました


それから暫くして樹はつぼみをつけました

それから美しい花をいくつも咲かせそして実がなりました

その実はとてもとても赤く甘い香りがしました

その熟した実の一つが地に落ちるとそれは美しい緋色の瞳を持つ女性の姿に変わりました

樹は女の頭をそっと撫でたあと眠りにつきました


女は樹の表面に手を当て目を閉じると上に手を掲げました

すると その手からまばゆいばかりの閃光があふれ出しました

女はそれに口づけました

その瞬間 光は輝く翼をもつ大きな烏になり天高く昇っていきました

それは樹の周りを大きく弧を描くように旋回し全体を暖かく照らしました

樹の周りを1000回 回ると烏は樹の頂上にとまり少しの間眠りにつきます

烏が眠りにつくと起きているものも皆眠りにつきますそれと同時に闇が水底から起き上がるのです闇は皆の寝顔をそれは優しい顔で眺めながら撫でていくのでした


烏が目を覚ますとまた闇は密かに消えて行きます

そして烏は樹の周りをゆっくりと旋回するのでした

烏が羽ばたくたびに世界樹の葉がざわめきキラキラと輝きます

その輝きがいつしか小さく半透明の羽をもった子となりました

女はその小さき子とともに樹の実を見守りました


二つ目の実が地面に落ちると それは屈強な身体を持つ大柄の男性の姿となりました

そして彼もまた女と小さき子とともに樹の実を見守りました


彼は気づきます 

足場がないため 何人かの小さき子が水の中に沈んでしまってるのを

そして樹もゆらゆらと不安定に水上を漂っていることを

そこで彼は足場を作ることにしました

彼は樹の枝と葉 そして自らの血を混ぜたものを練り上げそれをどんどん樹の周りにくっつけていきました

それはやがて樹を中心とする大きな島となりました


そして皆は緩やかに日々を過ごしながら樹を見守ります


ある日 一人の小さき子が思います
あの実をかじってみるとどうなるのだろうと

そして 1つ口にしてしまいました

すると小さき子の身体はみるみる大きくなり青年の姿へとかわりました

そしてつむじ風一つ姿がみるみる溶けてしまいました

女ははその子を呼びますが存在している感覚はあるもののその姿は見えず触れられもしませんでした


その風で一つの青い実はおちてしまいました 受け止めた女の腕の中で少女の姿へと変化します

しかし 収穫が早すぎたせいで弱って今にも消えそうでした

女はなんとか救おうと力を込めます

少女に光が集まりやがて少女は全てを覆い尽くす程の大きな炎となりました…