声が聞こえた
誰のものかわからない
なんて言っていたのかもわからない
だが 声が聞こえた気がした
私を責めているような
そんな 声が
悪いのは私 ではない
あの人に会ったのは数十年前のこと
同じクラスで昼食をたまに一緒に食べる程度の仲だった
あの人の隣は何故かすごく居心地が良かった
止まる事を許されていない私が
休む事を許されていない私が
あの人の隣では 私はゆっくりと息を吸えた
あんな事 許されるわけもないのに
初めは小さな綻びだったんだ
その時に気づいて戻ればよかったのに
そうすれば こんな事には ならなかったのに
一度解放された 欲求は
一度知ってしまった 蜜は
閉じ込めることはもうできない
気づけば 私の乗っていたレールは消えていた
跡形もなく 消えていた
それと同時に 私の手のひらの上には
何もなかったことに気がついた
周りから言われるままに
人形のように過ごしていた私には
何もなかったのだ
私は自由にしちゃ駄目だったの?
そんな時 目の前にあの人が現れた
久しぶりに会ったあの人はとても幸せそうで
私とは違って とても幸せそうで
光に満ちているように見えた
ほんの少し魔が差しただけなんだ
あの人が羨ましかった
光の中で幸せそうに笑うあの人に私もなりたかった
私はあの人の 椅子 に細工をした
でも悪いのは私 ではない
悪いのは私だけ ではない
私は