彼女はひとりきり 淡い微睡みの中
今日も寂しさにひとり泣く
そんな彼女を可哀想に思ったのか
神と呼ばれるその人は彼女に祝福を授けた
それは禁じられた魔法 命の創造
彼女は喜び その涙で人形を作る
その1人の人形と共に
彼女は笑顔で過ごしていた
そんな彼女に誰かが囁く
これは本当に”人形”が望んでいるのかと
彼女の笑顔は固まる
人形を作ったのは彼女のエゴだった
人形と過ごしたいのも彼女のエゴだった
そこに人形の意思があるのかなど思ってもみなかった
彼女は人形に 人形の求めるものを問う
人形は”パートナー”が欲しいと望んだ
彼女は作った 罪滅ぼしのためでもあった
人形のため彼女が精魂注いだパートナーの人形はそれはそれは素敵なものだった
彼女はパートナー人形に何が望みなのか聞いた
彼女は”人形との生活”を望んだ
だから彼女はそれを叶えた
かれらのすむ世界を整え送り出した
人形達は感謝した
そして行ってしまった
彼女はひとりきり 淡い微睡みの中
ひとりなんて慣れていたはずなのに
一度ひとりじゃなくなってしまえば戻れない
戻ることなど出来やしない
彼女は再び作った 人形を
でも人形達が求めるのは自身のパートナーと
パートナーとの生活のみ
誰も彼女を求めない
そう 彼女はひとりきり ひとりきり
彼女はつくり続けた
自分を求めてくれる人形を求めて
幾日も幾年も幾百年も 途方も無いほどに
そして彼女の涙が尽きた
涙がなければ人形は作れない
そう彼女はひとりきり
自分の中でひとりきり
ひとりでひとりきり
彼女の事は誰も救えない
彼女もそれをわかっている
白い白いトンネルを
ずっと進んでいったその先には
大きく黒い扉が1つあるという
いつ作られたのか 誰が作ったのか
それは誰も知らない
しかし 扉の先に何があるのか
それはみんな知っていた
彼は先を求め歩き続けた
途方も無い道のりをただただ歩き続けた
食料と水が尽きようとも
仲間達が砂になろうとも
自らの身が欠けようとも
そして 遂に 大きく黒い扉の前に到着した
それは彼を招くかのように音もなく開く
彼は恍惚の笑みを浮かべ
ゆっくりとおちていった
扉の先 楽園の外へと