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ねえ


愛してる


何で泣いてるの?


愛してる


そっか 君はもう


愛して






僕にとって会話というものは一種の作業だ。

その人が何を言って欲しいのかがなんとなく見えるから、手順通りにそれを口に出す。そんな単純な作業。

大抵の場合、その人は喜んでくれるもんだから、何の問題もなく終えることができた。もし間違えたとしてもそれは軽度のもので、十分取り繕うことは可能だった。

何度か致命的な失敗をしたけれど、被害は別に大したことなかった。その人がいなくなってしまった以外は。何とも思わなかったというと嘘になってしまう。でも、そんなくだらない感傷に浸っている余裕はなかった。僕は日々の作業に追われていたから。

作業を続けていく日々。ミスを減らせるように自分で考えることもたまにあった。けれど、会話というものはテンポがとても重要で、そうした時間がミスとして扱われてしまった。だから、手順に従って淡々と作業を続けるほうがよいと判断した。

そんな風にずっと続けていたお陰か今になっては、ほぼ無意識のうちに出来るようになってしまった。というより、勝手に言葉が口から飛び出るようになってしまった。身体が覚えてしまってるからもう何も考えなくていいのだ。

何も考えない、何も思わない。そんな時間はもはや無駄であるし、そんなこと誰も求めていないのだ。求めていないことばかりすると不良品として捨てられてしまう。それだけは何故か嫌だったから。だから。

今日も作業を始める。いつもと同じように、身体が勝手に動き出す。面倒くさがりの僕にとっては、僥倖じゃないか。そう思ってた方が幸せじゃないか。

そして僕は、意識を空に飛ばした。








天使は疲れていた。何故ならここのところずっと休みがとれないからだ。

この天使の仕事は世界の創造。新たな世界を作り神へと献上する仕事だ。

しかし作っても作っても神は次を求める。

もうアイデアも絞り尽くされ 新しい世界など作れそうにないというのに。

そんな時 1人の人間が声をかけた

「天使さん 天使さん どうかなされたのですか?」

天使はその人間に話し始めた。溜まりに溜まりまくった鬱憤とともに。

全てを吐き出した後 人間は天使の涙をぬぐいこう言った。

「私にいい案があります」と。

その人間は天使の考えた世界を元に1つの物語を作った。それは 日常に飽き飽きした人間達の琴線に触れるようなそんな物語。それを読んだ人間は新たな刺激を求めて様々な世界を作り始める。そしてたくさんの人間達が各々世界を産み出し始めた。

それを天使が神に献上した。神は喜んだがすぐ次を求める。

しかし、人間達がたくさん世界を生み出すおかげで天使はゆっくりと休養をとることができた。

天使は休養をとりつつ 人間達の作った世界を読み始める。

そこで天使は気づいた。神が次を求める意味を。

しかし それよりも天使には とある欲求が芽生え始めた。

それは 神と天使の明確な違いでもあった。