帰り道 携帯の電源をいれる

メールが何件か入っていた 今日はなんだかいつもより多かった

よく分からない迷惑メールとダイレクトメールが何件か 

ダイレクトメールを読んでいてあることに気づいた

そっか 今日私の誕生日だ

そういえば何歳になったんだっけ

ぼんやり考えるがぱっと出てこない

計算しようとするが疲れきった脳はそれを拒否した

別に今自分が何歳だろうとぶっちゃけどうでもいい

それに誕生日でもハロウィンでもクリスマスでもひとりの私には特になんということもなく いつもと変わらぬ一日でしかない

ただ色々割引なって嬉しいなってそれだけだ

家に帰りつく 電気をつけて驚いた

テーブルの上に栗が一山置いてある

その隣に真っ赤なもみじの葉がひとつ

こんなもの朝見た時なかったはずだ

つまり誰か訪ねてきた?

もしかして

私は急いで椛の葉を裏返してみる

そこには拙い文字で おめでと と書かれてあった

思わずあたりを見回す

しかし 私の目には見慣れた自室の風景以外に何もとらえることができなかった

20歳になるにつれ見えなくなった隣人たち

でも まだこうして そばに居てくれるんだと

そう思うとなんだか胸の奥がじんわり暖かくなり涙がこぼれた

明日は栗ご飯にしよう

そう思い 栗を手に取った





文字の裏で彼女が笑う
ほら、なんてあなたは醜いのかしら!!と
私は耳を塞ぎ 彼女から逃れるため言葉を吐き続けた
でも書いても書いても彼女は現れ 私を嘲笑う
彼女は私で、私は彼女なのだと 銃口を突きつけてくる
違う 私は彼女ではない
私は彼女ではない 私は私だ
ほんとに?ほんとう?ほんとうに?
私は彼女のように醜くなんかない
私は彼女のように卑しくなんかない
ほんとう?ほんとに?ほんとうに?
こだまする声に私の心は踏み潰される
私は彼女にはなりたくないのに どうして
無意味な問いかけに返ってくるのは嗤い声だけ
蓋をして見ないふりをしたところで
彼女はあなたで私もあなたで僕も俺も彼もみんなあなたでしょう?
だってあなたは あなたの事しか書けないのだから
可愛い可愛い僕らのアリス
愛らしいほど可哀想な孤独なアリス
どんなに書きたくないと思っていても 溢れ出る言葉を止める事なんて出来ない無力で惨めなアリス
どんなお話を書けば満たされてくれるの?
今日はどんなお話を描くの?
ひとりきりで




どうして あなたが 床に伏してるの

私は まだまだ 生きて いるのに

嗚呼 嗚呼 羨ましい 

羨ましすぎて殺したい

全て全て 私を殺せぬ 

こんな世界なぞ滅べばいいのに

だれか 私を 殺してくれる 

力のあるもの なぜ来てくれぬ

此の世の財宝 全てくれてやる

だから どうか 殺しておくれ

勇者 ドラゴン 神様ですら 

殺せなかった この私を私を

どうか どうか 殺しておくれ

殺しておくれ 殺しておくれ

こんなのだれも 望んでいないから

私の力を 殺しておくれ

私を 私を 私を 私を

殺しておくれ 殺しておくれ