私のための言って 

鎖で縛り付けて塔に閉じ込めて

嫌なら 逃げたらいいじゃないかって

おかしな話じゃない

じゃあこの鎖を解いてよ

この塔から出してよ

そしたら心置き無く何処かへ行くわ

今まで散々放置してたくせに

今更なんなの?

言ったら聞くよとかいいながら

聞いてないじゃない

私は人形じゃない

私に理想の人間像を押し付けないでよ

貴方達が悩んでるとか知ってるけど

じゃあなに?私が我慢すればいいの?

貴方達の理想になれと?

それは無理ね 物理的にね

もういいわ 

このまま 塔から飛び降りるから

飛び降りたらどうなるなんて

知らないわ

貴方達に関係ないじゃない

それとも何?

話を聞いてくれる気になった⁇

なるわけないよね…

それじゃあ さようなら





最後まで信じられなかった私の負け

もうすぐ 壊れちゃうから ここでお別れ

私には耐えられなかったみたい

結局 私は変われなかった

何度もチャンスはあったのに

一歩踏み出せばよかったのに

怖がりな私はそんな勇気も出さないままで

ごめんね

もう無理なんだ

今までありがとう そして

さようなら 愛しい人

もう 二度と会うことは無いでしょう

本当の本当にさようなら






コツコツと靴音だけが響く路地裏

人は唐突に影に向け声を放つ

「さて 今回のショーはご満足していただけましたか?」

「 …。」

 静かな闇に二つ浮かんだ翡翠はかすかに瞬いた 

「そうですか…では またご縁があれば…」

人は少し口角をあげると何処からともなく手にとった仮面を着ける

「 ーー・・・・・・・・」

やがて光が消え 辺りは漆黒に包まれた

       

どれくらい経っただろう  

誰も居なくなった道路

其れを中心に広がる濁った紅を太陽が冷たく照らし始める

       

暗く澱んだ 朝の光の中

小さな音を奏で始めた

紅に染まったオルゴール

その澄んだ音はどこまでも純粋でーー