死にたいな


無意識に口から出た言葉に思わず苦笑する

本当は死にたいなんて思ってないくせにね


なんとなく端っこに立ってみた

寒いな

このまま落ちてしまおうか


落ちても何も変わらない

僕一人居なくなったところで何も変わらないんだ

平常通り1日が過ぎていくだけ


なんだかな そんなのなんか寂しいなぁ 

なんて思いながら冷えてしまったコーヒーを一口飲む


やっぱり ブラックは苦かったか

ココアにしとけばよかった


そしたらまた お子ちゃまって 言われるんだろうか


ふと浮かんだ言葉に思わず眉をしかめる

もう忘れたと思っていたのにな


コーヒーの缶を思いっきり投げる

束の間 カランと子気味のいい音がした


さて そろそろ帰ろうかな

誰も待っては居ないけど

少なくとも彼処だけは私の居場所だからね





あの青白く輝く月が欲しい


彼女はそう僕に言うと


月光が降り注いでるなか


堕ちていった


伸ばした手は虚空を掴み力なく揺れる


途中で塞がれた声の行き場はなくて


闇の中を静かに静かに溜まって


黒い雲から溢れた雫が


包み込むように優しく包み込んだ


そして 黄金に輝く月の下


2輪の紅い花は艶やかに妖しく煌めくだけ




私は一人だった

一人が嫌だった

だから 必死に仲間を作った

簡単だった

ただただ相手の望むように

動けばよかったから


いつの間にか

私はまた一人になっていた

何故?

考えても考えても

それは分からなかった


辛かった 怖かった 悲しかった

でも 不思議と涙は出てこなかった


それからずっと一人で過ごしてきた

むしろ 一人のほうが心地よかった

ポッカリと何かが抜け落ちた気がしたけど


私は一人だった

一人が好きだった

だから ずっと一人でいた

簡単だった

何もしなければ

何も起きないのだから


いつの間にか

私は二人になっていた

何故?

それはやっぱり一人は嫌だったから


自分で作った一人の人形

それは昔の自分そのものだった


それからずっと二人ですごしてきた

二人でいるのが心地よかった

どんどん窓の外は暗くなっていった



外はどんどん暗く寒くなっていった

何故か涙が出てきた

それは寒さが目にしみたからに決まってる


暗闇の中 

私はまた一人になっていた

何故?

そんなことどうでもいい

眠いんだ

とてもとても…