私がダディちゃんと出会ったのは、今から8年前の4月、イギリスはサリー州キャンベリーという町のボランティア先で行った、身体障害者難民施設でした。
数年前に、その施設は閉鎖されてしまい、そこの住人だったクライアントさん達は、長年住み慣れた施設から、それぞれ別々の施設へと移されました。
そして悲しいことに、私がよくお世話していたクライアントの一人が、新しい環境に順応できず、移されて間もなくに亡くなってしまったそうです。
何とも酷な事をしたものです。
今でも、彼等クライアントさんたちの事を思い出しては、ダディちゃんと二人で時々話すことがあります。
さて、その施設に初めて到着した日のことでした。
施設の3階がボランティアワーカーと職員用の宿泊場所になっていました。
勿論、バス、トイレ、キッチンは共同です。
到着して初めてバスルームを使用すべく、電気をつけようとスイッチを探したのですが、天井から紐のようなものが垂れ下がっている以外は、スイッチらしきものが見当たらないのです。
私はまさかその垂れ下がっている紐が、電気のスイッチだとは思いません(というか、思えません)でした。
なぜなら、私にはその紐が非常用の何かに思えたからです。
それで、どうしたものか、バスルームの前であたふたとしていた所に、正面から誰かが歩い来るのが見えました。
そう、それが未来のだんな様ダディちゃんだったのです。
わたしは、この時とばかりにダディちゃんに助けを求めました。
"Excuse me.Could you tell me where the light switch is?"
...と聞いたかは、今ではもう定かでありませんが、とにかくどれがスイッチなのか教えて欲しかったのです。
そして、ダディちゃんは何も言わず、ただ天井から垂れ下がっている紐を引っ張ったのでした。
そしたらです。
バスルームがパッと明るくなったではありませんか。
それと同時に、ダディちゃんは私の心の中にも明かりを照らしてくれたのです(少し大袈裟ですが...)。
そう、この時点で、私にはダディちゃんに何かピピピっと感じるものがあったのです(ダディちゃんは、何も感じなかったみたいですが...)。
というか、私の一目惚れってことですね。
その後、暫くはお互い何もなく過ごしていたのですが、ある日突然事態は急展開
そして約一年後、私達は晴れて結婚する事になったのでした。
私は、結婚後ボランティアワーカーから正職員となり、長男ヨシヨシ出産のため日本に帰るまで、ダディちゃんと二人その施設で働いていました(ダディちゃんはもともと職員です)。
恥ずかしながら、こんな感じの私たちの出会いを、今日は書いてみました。haha...