これも私が昔住んでた家で体験した出来事です。
私は子供の頃、何度も家の階段から落ちた記憶があります。
特にひどい落ち方だったのが、5歳の時だったと思います。
私は兄と二人で階段のトップにいました。
そして、私が階段を下りようとした時、不意に背中を押されたのです。
その瞬間、私は階段を転がりながら落ちてしまったのです。
下では母が箒で廊下を掃いているところでした。
その母が掃除をしている足元に私は転がって行きました。
あの時の痛みは今では覚えていませんが、たぶんとっても痛かったと思います。
私は、落ちた地点から兄を睨み付けたような気がします。だってその時は、兄が私の背中を押したものと思ったからです。
そして、落ちた拍子に階段の角に私の歯茎が当たり、見事に下の前歯二本が折れてしまっていたのです。
その後、八歳だったか九歳に成るまで私は、歯っ欠け状態で過ごさなければなりませんでした。
悲しいかな、新しく生えてきた二本の歯には、歯茎に埋もれていた時に受けた傷がくっきりと黄色く刻まれていたのです。
まるで、味噌っ歯のように....。トホホ
階段から落ちた後、「お兄ちゃん、私の背中押したでしょ」と兄に聞いたのですが、兄は絶対押してないと言っています。
でも私は、ずっと心の中で兄が私を押したものと思っていたのです。ある物を目の当たりにするまでは...。
そのある物が現れだしたのは、私が小学4年の冬頃からでした。
それまで平気で見れていた私の部屋の前の壁が、なぜだか突然見れなくなってしまったのです。
そう、階段横の壁がです。
どうしてかというと、それまでなかったはずのシミがその壁に現れだしていたからです。
そして、何となく日増しにそのシミが私には大きくなっていってるような気がしました。まるでシミが生きているかのように、でも少ーしずつではありましたが...。
だから、それに気付いてからは、部屋にいる時は廊下に面する襖戸を開けっ放しにしておく事が出来なくなってしまいました。何だか分からない異様な気配を壁から感じたからです。
でもそのシミと異様な気配を突き止める事もなく、その二年後、私たち家族は新しい家へと引っ越したのでした。
それから数年が経ち、久々に昔の家の二階に母と上がってみたら、何とあの私が気になって仕方なかったシミが、見事な形になっていたのです。
その形というのが、ハゲ頭の男の人の形にです。
それで、母と私は納得してしまったのです。私の背中を押したのは、このハゲオヤジだったということに...。
兄を恨むのはお門違いだったという訳です。
実は、この壁のシミのハゲオヤジに関する体験は、私だけではなかったようです。
(あっ、もうこんな時間だ。因みにこちらの時間で午前3時。)
この続きはまた後日という事で、今日はそろそろ寝ようと思います。