模様替えのつづきはアムス行き
旦那ちゃんは1時すぎに帰宅した。まみぞーは寝ていたが、「何じゃこりゃ」という声で目が覚めた。でも、寝たふりをしていた。まるで、「何じゃこりゃマッシュルーム」でも食べた人みたいに「何じゃこりゃ?」を繰り返している。こっそり吹き出した。だって、この人、おかしい。
翌朝やはり、テレビが見れないからと異議申し立てがあったが、つかまり立ち&つたい歩きの訓練用なのだ、その時期が過ぎれば元に戻すか、夜間授乳がなくなっていれば独立部屋に移すから、ということで比較的すんなり納得してくれた。もともと親子別寝室推奨派なので一長一短といったところなのだ。本当は、みんな月齢3~4ヶ月で部屋を独立させるそうだが、うちはふたつの寝室が隣接せずに離れているし、授乳に不便なので同室で過ごしてきた。実際、昨夜一晩だけでももう不便だった。今はどうだか知らないけど、日本は布団で親子3人川の字文化だから、まみぞーには同室の方が肌に合う。そんなんじゃ甘ったれに育つ、と言われるが、もう10歳の姪も、姉夫婦とまだ川の字で寝ているのに、よくお手伝いもするとってもよい子だ。10歳までとは言わずとも、ベビーベッドのうちは場所を取らないし、同室がいいなあと今回は言わなかったが企んでいる。
こちらの言い分を受け入れて優位になったのか、世の連休ムードに逆らえなかったのか、彼は別に連休ではなく、今日と明日だけの普通の休日なのに、唐突にオランダ・アムステルダムへ発ってしまった。一人でリラックスしたいと、毎日の通勤のようにリュックサックひとつ背負って、さくっと行ってしまった。「すたこらさっさ」と効果音が聞こえるようだった。日本人妻は遠い異国の地で、友達もなく、毎日淋しく暮らしているというのに、フランス人夫のなんと勝手というか呑気というか、かえって惚れ惚れするようなマイペースぶりだろう。まみぞーだって、一人でさくっとどっか行きたいやい!!と一瞬不機嫌にもなったが、いいのだ。それを許す=それが許される、ということなのだ。そういう関係はむしろ理想的だ。
ひやひやこっそり模様替え
日本ではゴールデンウイークの真っ最中だが、フランスでも、今日は大型連休の初日である。明日木曜が祝日なので、人々は金曜に休みを取り、さらに今日水曜はできるだけ早く仕事を切り上げ、4.5連休のバカンスに出かけるのだ。そういうわけで、まみぞーは、部屋の模様替えをした。(どういうわけさ?)思いっきりインドアやし。ふん、連休なんてうちには関係ないわよ、どーせ。しかも、日本の母から、今年はかなりのマンモスゴールデンな連休だというのに、だあれも遊んでくれないと泣き愚痴の国際電話もあった。なんて冴えない親子なんだ。しかし、真面目に母が不憫だったので、来年は桜はやめてゴールデンウイークに合わせて帰省するようにしようと思った。
おっと、別に世の中の連休ムードに不貞腐れて模様替えなど無駄に体力を消耗する行動に出たわけではない。先日友人宅に行ったら、パーク(子供用の柵。料理中とか目を離す時の安全柵なのだろう、動物園の檻みたいにべべを囲っておくやつ)の話になった。「ちょっとの間しか使わなかったけど、つかまり立ちとかつたい歩きの練習によかったな。」と言う友人に、旦那ちゃんは「ああ、うちも買わなきゃな。」と言っていた。まみぞーは、えーそんなもんいらん、と思った。べべがあんな檻で大人しくしているわけがない。絶対使えなさそう、もともと数ヶ月しか使わないのに、その中でもさらに使用頻度低そう!という思いを、行動にしたのだ。
まずベビーベッドをリビングに移動した。ベビーベッドも柵風なので、つかまり立ちやつたい歩き訓練はこれですればいい。しかし、寝室で遊ぶことはほとんどないので、リビングに持ってきたのだ。そのベッドを置くにあたり、ソファーを斜めにした。もともと南北方向で置いていたのを東西方向にしたら妙な閉塞感があったので、斜めにしたら狭いなりにもどうにかうまく空間が開けたのだ。しかし、変な完璧主義の旦那ちゃんは、絶対斜め置きに反対するだろう。べべがリビングで寝ることになると、夜中までテレビが見れないとかなんとかも言いそうだ。口では絶対勝てないし、これだけの意義をつたないフランス語で説明及び説得するのは至難なので、行動あるのみなのだ。
旦那ちゃんは24時頃帰って来る。文句つけられるのこわいから今日は早く寝てしまおう。
フェアチャイルドのCD全部持ってますから~
話は少々飛ぶが、こないだ帰国してみたら、YOUが大人気だった。ちょうどクール変更時のスペシャル番組シーズンだったのもあり、テレビをつければYOUが出ていた。まみぞー、YOU大好きだ。小学校高学年~中学生の頃、チェッカーズとフェアチャイルド一筋(いや二筋か)という、客観的に見ればちょっと特異な音楽趣味の子だった。チェッカーズの全盛期はとっくにすぎていたし、フェアチャイルドを知ってるクラスメイトなどほとんどいなかった。自分的には音楽や流行より、大好きなフミヤとYOUが歌っているのを聴きたい一心で、お小遣いやお年玉をつぎこんでCDをかき集めた。
その、まみぞーの(?)YOUが何かの際に、「頭、人に触られるのは、耐えられないんで。カットも高校生の頃から自分でやってます。」とコメントしていた。叶姉妹・姉に「どおりでいつも不揃いだとは思ってました。」とツッコまれたが、まみぞーは、そのツッコミのおかげで、自信を持って不揃いカットを実践する勇気を得た。それで、今回もバリカンは使わず、ハサミだけで切った。明らかに不揃いだが、むしろ思い通りだ。美容院後の旦那ちゃんの髪はお行儀よすぎて好きでないのだ。出来杉くんみたいなんだもん。出来ないのに。
※お食事中の方はご遠慮ください
そのバクバクいったガレットのせいで何が起きたかというと、べべが、文字どおり糞詰まりちゃんになってしまった。確実に便意はあるが、どんなに息んでも出てくれないのだ。叔母さんたちが「ガレットのせいよ、そういう作用があるのよ!」と異口同音。そんなの先に言ってよ~(><)おまけに、べべはさらわれる度にガレットを手にしていた。もちろん手のものは何でも口に直行なので、さらわれる度に食べていたことになる。母乳からの間接摂取より、この直接摂取のが悪そうじゃん!※べべにガレットは与えないで下さい。って看板がないとこの人たちは与え続けます、きっと!!
便を促す坐薬を入れて、しばらくすると匂ったので、「とうとう出たよ!」と家中に伝達されて、「おめでとう!」「よかった!」と口々に、こんなことそんな真摯に祝っていただいてどーもすいませんってくらい熱烈に祝福されたのに、ウサギの糞みたいなのがひとつ、コロンと出ていただけだった。いつもは快便のべべがもう丸二日もしていないのだ。こんなもんで済むはずがない。またしばらくすると、息みながら、かつ匂いを発しながら、泣き叫ぶべべ。見れば半分だけ顔を出したウンが、先にも後にも進めませんよ、参ったな、オイラのせいじゃないっすよ~と所在なさそうに詰まっている。ふんばってもふんばっても完出しない。その後の処置は赤裸々に語るのはやめましょう。
そんな、肛門の、いや身のちぎれるようなガレットの思い出とともに、まみぞーとべべにとっては初の南仏プチバカンスは終わっていった。おぉ、かわいそうに。おぉ。
過ぎ越しの祭り
叔父さんは朝から料理の仕込み、叔母さんも朝から掃除やテーブルのセッティング。親戚一同も噴水清掃やら椅子磨きやら(20人くらいの晩餐になるので、プールサイドやテラスのプラスティックチェアーを洗って食卓に並べるため)せっせと働いている。まみぞーだけ、べべとなんにもせずにゲストのような顔で申し訳なかった。だって、文化が違うと何をどうすべきか要領が掴めず、ちゃべちゃべ働き損ねるのだ。頼まれない限り下手に動けない。しかし決して頼まれない。ああ、何にもしない嫁だとグチられているかもしれない。リモージュのおばあちゃんの家でも、いつもゲスト風に終わってしまう。
晩餐は、7時半に始まった。立食のアペレティフに始まり、着席してからは、教書の音読とともに(ホントに小学校の国語の時間に生徒が順番に教科書を朗読するのと同じ!)、十戒のそれぞれの項目を象徴する食物を一欠片ずつ食べていく。男性陣が音読し、女性陣は歌だけ一緒に歌うようだ(歌というか、お経の合唱みたいな感じ)。途中、食物の乗ったプレートを掲げひとりひとりの頭上を通過させながらテーブルを一周する場面があり、それは女性の役目らしい。まみぞーはほぼ部外者だが、それだけはさせられた。生放送番組で突然ステージにあげられた観覧客のように、どこか照れくさくて困ったが、大音量で歌い続ける皆の、いくつもの大きなお目めが、「つべこべ言わずにとっととやれ。」と促すように迫るので、つべこべ言わずにやらせていただきました。へこり。大きいお目めは迫力あるんだもの。これが、食事の前のお祈りで、約1時間半。その後羊肉をメインとした食事をし、最後にまた20分ほどのお祈りで晩餐終了。時計は、1時半を回っていた。片づけやらサヨナラのあいさつやらをしているうちに、実際解散となったのは2時すぎだ。長い一日だった。眠気にまかせて就寝が許されるべべがとっても羨ましかった。えへ。
豪邸拝見!
トゥーロン・イエール空港から車で走り出たとたん、ビーチが広がっていた。(今回の滞在中はあまり天気に恵まれていなかったのが唯一の心残り!また夏に来るとします。)
旦那ちゃんの叔父さん夫妻のお宅にステイ。エントランスには噴水、庭にはプールもあるし、すべり台やらブランコやらぶらさがり台やらふつーの公園サイズの遊具まである豪邸だった!しかし、この邸宅はもう売りたいらしい。子供ふたりも巣立ってしまい、無駄に広い家は必要なく、ここはアラブ連邦かって状態(そのくらいフランスにはアラブ系移民が多いということ)なので売り払ってイスラエルに移住したいのだそうだ。
すでに不動産情報誌(豪邸専門のね)に、載っていた。文章はすっとばして値段が目に飛び込んできた。1750000ユーロ。あん?えっと、日本円にすると、約2億4000万円ですかあああ!!!
「Rくん買ってよ、さっき、マミに家の中案内したら、たいそう気に入ってたわよ。」
と旦那ちゃんにふっかける叔母さん。
「それいいわね~。そしたら私たち、ずっとここにバカンスに来れるじゃない。」
と息子(つまり旦那ちゃんの従兄弟)の彼女。
「む、無理っすよ!」
心配するな、貧乏青年相手に、誰も本気で言ってない。
「イスラエルで住みたいところも決めてあるの。20階建てのビルの最上階で、リビングは100平米くらい、ジャグジーもついててね、そのジャグジー側は180度海なわけ。オーシャンビューなの。それから、そのビルにはシナゴグ(ユダヤの教会堂)もあって、便利なの。」
リビング100平米・・・。
さっき、無駄に広いのいらないって・・・。
「そうは言ってもねえ、こういう家に住んじゃうと、それなりのレベルを求めてしまうわよねえ。」
まあ、そういうもんだろうとは思う。それにしても、イスラエルなんて物価の高そうな国で、リビングだけでパリの我が家の2倍の広さのマンション(こういうのを億ションっていうのけ?)に住むなんて、うらやましいというか、もったいないというか、掃除大変そうだし住みたくないというか。んーでも一生に3ヶ月くらいは住んでみたいかな。
つまり食べず嫌い
吐き出した。嫌いというより、慣れないのだろう。こないだテレビでいろんな味覚テストの番組をやっていた。比較文化的コーナーがあり、フランス人がベトナムでは常食のピータンみたいの(しかも、もうすでにひよこだかあひるの子だかが育ってる卵を、その雛ごと食べるらしい!)を、ベトナム人がフランスのフロマージュを食べるのだが、お互い最初は「まっずーい!!」としかめっ面。しかし、味覚は脳が司っているので、そういう人でも、何であっても、5回食べれば、慣れるというか、げー!!と思わず味わうことができるらしい。つまり、「嫌い」とは、たいがい「5回未満しか食わず嫌い」ということだ。
確かに、まみぞーも食わず嫌い王で、刺し身や寿司は一切食べれない。玉ねぎも嫌い。洋食でもカルパッチョやガスパッチョや生ハムは苦手で、できれば生涯食べたくなかったが、友人・親戚にご招待されると食べない訳にいかず、外人特権ですり抜けることもできたのだが、ちょっとがんばってみること数回の後、けっこう普通に食べられるようになった。フォアグラやパテも何が美味しいのか理解不能だったし、苦手なチーズもいっぱいあったが、1年半ほどたった今では、だいたいなんでも味わえる。好物!とまではいかないが、おなかが空いていればすすんでお代わりするほどにはなった。
というわけで、べべも5日後には、肉にかぶりついているだろう。
食欲の春?
まだ夜中に絶対一回は授乳すると言ったら、もう大きいから夜間授乳はいらないのよ、そんなに大泣きしないならあげないようにしなさい、と言われた。なのでその夜はあげなかった。確かに、抱っこしただけで泣き止んでしばらく抱いていたらまた眠りについた。そしたら翌日の食欲はすごかった。今まではおままごと風だったのが、いきなり大人の食事になった感じ。おかゆもけっこう食べて、さらにバナナも丸ごと1本平らげた。こんな小さい体にこんなに詰め込んで大丈夫なのだろうかと心配になった。食べない心配より、全然愉快な心配だ。
野菜ばっかり食べさせて いたが、お肉ももういいらしい。まずはチキンでもビーフでもポークでも、すりつぶしてティースプーン1杯くらいから初めて、その1ヶ月後にお魚もOKだそうだ。別に食べるなら何でもあげてよいのだろうけど、こういうアドバイスは全てアレルギー対策と思われる。アレルギーは何かと面倒そうなので、従っておいた方がよさそう。
ハッピーミール
12時間のフライトを経て、無事帰仏。機内でばったり高校~大学時代の同級生に会った。お互い驚いた。ジュネーブに出張らしい。キャリアウーマン風!ないものねだりでそういうのにも憧れるなあ。
着いてからは、冷蔵庫が空っぽなので、というか日持ちするものや冷凍庫に多少の食料は残してあったのに、自称完璧主義の旦那ちゃんが電気を元から切っていったために、全て腐蝕!ヘトヘトの帰国直後、年末大清掃のような冷蔵庫掃除をするハメになった。
それから食材を調達して調理にかかる気には到底なれず、久しぶりにマクドナルドのお世話になった。アンチアメリカンジャンクフードの旦那ちゃんは、通常は決してマクドナルドに行こうとしない(まみぞーはジャンクフード大好きだ)。スターバックスもほんとはちょっと興味有り気だが絶対行かない。マックのように済ませたい時には、すっかりファーストフード第一陣として定着しているケバブで手を打つ。
じゃあ、どうして今日だけ?日本で、姪がべべのためにおもちゃをいろいろかき集めておいてくれたのがほとんどマクドナルドのおまけだった。フランスでもそういうのがあるかみてみたい、とよくわからないライバル意識と好奇心により本日はマックが受け入れられたのである。
レジ前で列を作りながら、
「やっぱりフランスはそんなのないよ、日本が一番だよ。」
とブツクサ言う旦那ちゃん。
「どれにでもついてるワケじゃないよ、ハッピーセットについてるんだよ。」
「なにそれ?」
「子供用のちょっと小さいやつ。」
「ない、そんなのないよ。」
「えー、きっとあるよー。」
彼の目にはとまらかなかったようだが、テーブルにつくと、隣の子供が「ハッピーミール」と書いてある箱を持っていた。
「あれだよ、ハッピーミールっていうんだよ、おまけもついてるんじゃない?」
旦那ちゃんがさり気なく覗き込んだが、微妙に見えず、今回のミッションは未遂行に終わった。まあ、どうでもいいミッションだし。おまけは、ふつーについていると思う。
