KIYOSHI RYUJIN SOLO TOUR(東京初日)/清竜人 | quarters

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いろんなライブの記録。二丁目の魁カミングアウト・きのホ。・ONIGAWARA・ RAG FAIR・ズボンドズボンなど。

ツアー終わったので。初日当日に書いたレポ。


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(あんまり自信ない)SET LIST

ウェンディ
マドモアゼル
All My Life
ぼくはバイセクシャル
痛いよ
そつぎょう
ヘルプミーヘルプミーヘルプミー
ぼくが死んでしまっても
あなたにだけは

風もバラも雪もぼくも



スーツの竜人くんが下手から出てきて、一礼をしてグランドピアノの前に座る。ポーンと高い音、1つだけ鳴って震えた。歌に満たない、ただの一つの白鍵の音で会場の雰囲気が一変した。

そこから水を飲む以外は殆ど音が途切れることなく、竜人くんの “3年ぶりの弾き語りツアー” が幕を開けました。ただ曲間、時折宙を見つめて、指を組んで、それは祈りのように見えた。思想を音に、歌に換えるための敬虔な祈り。

『ウェンディ』から始まったのびっくりした。
お客さんは男女半々くらいで、竜人くんよりも年上の人の方がたぶん多かった。でも竜人くんは小さな子どもを温かく包み込むような歌い方で、わたしたちはこの世の悪意から守られている気がした。まるで庇護されているような。


『ALL MY LIFE』聴けて嬉しかった。ずっと夜の紫の空の色のイメージの曲でした。音源のオケの華やかなアレンジがとても好きで。今日は竜人くんだけ、ピアノ1台と声だけだったのに、あまりに優しく零れる宇宙だった。

『痛いよ』わたし椅子に座ってただ聴いてるだけなのに、ほんとに痛くなった。喉のあたり、口の手前まできもちがこみ上げてツンとする。


『ヘルプミーヘルプミーヘルプミー』、サビの前に一呼吸置いて、ああもうすごく良かった。何不自由なく生きているわたしも、『たすけて』って言ってもいいんだって赦しをもらった気持ちになった。
竜人くんの真摯な祈りと向き合うことはわたしには怖くてできない。迂闊に感想言うのもこわい。でも一つだけ、竜人くんの音楽は “救済” 。


そのあとの『ぼくが死んでしまっても』は1番がアカペラで、それこそ生を賭して歌ってくれた。こんなのわたし一瞬だって気を緩ませたら全部ふいになるし、そんなこと絶対できない圧倒的な力があった。心地いい支配だった。


最後あのクラシック曲なんて言うんだっけ、有名なやつ弾いて、立ち上がった竜人くんはよく知ってる、はすっぽい笑い方をしてお辞儀をしてくれました。そのままアンコールなしで終演。1時間半。



ステージにはグランドピアノとグッズのカットソーにも描かれていたバラのフラワースタンドだけ。ライトも単色で、竜人くんとバラにピンスポ。でも吊り下げた照明がすごく綺麗で、極楽鳥が止まってるようにも思えた。とても快適で見やすい会場でした。

セトリまったく想像つかなくて、聴きたい曲は他にも色々あったのだけれど、たくさんの曲の中から選んだこの11曲(たぶん)が、いまの竜人くんなんだなと思ったら、とてもいとおしいです。


わたしの中で竜人くんは冬のイメージなので、12月の朔日に会いに来れて、歌を聴けて嬉しかったです。
この先、良いツアーになりますように。