2019年に公開された映画、”Harriet”(Harriet Tubman=ハリエット・タブマンのストーリー)をようやく週末にHBOで見ることができた。映画なので、かなり脚色されていたけれど見てよかった。

 

 

サンフランシスコ市長のロンドン・ブリードがスピーチで言った、「Black Lives Matter(運動)は、血と、汗と涙と苦しみの中で生まれたのだ」という言葉を噛みしめながらこの映画を見た。命がけで「自由」を手に入れ、その後も他の人々に「自由」を与えるために生涯を捧げたハリエット・タブマンが求めたことは奴隷という立場から解放されること。ハリエットが手に入れた自由は、ごく限られた自由だった。それでもその自由は、命をかける価値のあるものだった。限られた自由を手にするために逃げて失敗して、命を落としてしまった奴隷が大勢いた中で、ハリエットは90マイル(145キロ)の距離を逃げ切り、その後少なくとも70人の奴隷を救出(解放)することに成功した。

 

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自由(じゆう)の意味(goo辞書より)

  1. 自由の意のままに振る舞うことができること。また、そのさま。
  2. 勝手気ままなこと。わがまま。
  3. 哲学で、消極的には他から強制・拘束・妨害などを受けないことをいい、積極的には自主的、主体的に自己自身の本性に従うことをいう。

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ハリエットとその両親は奴隷として生まれ、奴隷として働かされ、ひどい暴力を受け、教育を受ける権利などもちろん与え得られず、自分自身がどこで生まれたのか、いつ生まれたのかさえもはっきりと分からなかった。そんな中でハリエットが死に物狂いで手に入れた自由は、この辞書の定義にさえ入っていない。さらに彼女は手に入れた自由を維持するために、妨害と戦い続けなくてはならなかった。

 

 

彼女はものすごく強い決意と、人並みはずれた強さと行動力を持っていたのだろう。

 

 

話が少しそれるが、突然大統領選への出馬を表明したラップ歌手のKanye West(カニエ・ウェスト)が、週末に初の選挙集会をサウスカロライナ州で行い、その中でハリエット・タブマンに関して(Harriet Tubman) “never actually freed the slaves, she just had them work for other white people.”(ハリエット・タブマンは、実際には奴隷を自由にしたのではなく、他の白人のために働かせただけだ)と言って、周りを混乱させた。一時期はヒップホップ界をリードする存在だったKanyeだが、今は本当に壊れてしまっていると思う。

彼は数年前にも「400年も続いた奴隷制度は"choice"だったと思う(他に選択肢があったのに自ら選択した)」発言をして、かなり叩かれた。色々言い訳をしていたが、言葉を操り、言葉で表現をするプロがうっかり間違えたメッセージを送ってしまうとは思えない。


かなり深刻な躁うつということで、ゆっくり治療してほしい。