アメリカ放浪記 5 | 人生と旅・読書 村上春樹感 アメリカ放浪記

人生と旅・読書 村上春樹感 アメリカ放浪記

人生と読書は切り離せない、体と心のような関係です。人生は旅であり、また、読書も旅です。徒然なるままに書いていきます。コメントお待ちしています。

二人は、初めてのニューヨーク見物で、興奮冷めやらぬ中、ベッドに入った。

寝付いてからどれくらい経っただろうか。暖房が熱くて制汗剤が欲しいほどだった。

外の通りから聞こえる、機械的な破裂音ダダダダダが耳について目が覚めたのである。

まるで機関銃を乱射するように感じた。先ほどの体験が夢にまで出てきたのだろうか。

 

Tもこちらを向いて、不審そうな顔つきである。窓に行って、確かめたい。

でも、反面、怖い気持ちもある。躊躇しながら外を覗くが、特に変わった様子はない。

その時、サイレンの音がした。パトカーだろうか、やけに近くに聞こえる。

私は、明日は移動しようと心に決めて、再びベッドにもぐり込んだ。

 

ミネソタ州ミネアポリス行きの飛行機は思いのほか小さいものだった。

大丈夫かなと心配するくらいの大きさで、乗客も数十人くらいしかいない。

Tの計画で、北の大都市に向かう。日本なら、北海道の札幌といった所である。

冬のこの時期は、マイナス30度になるらしいと聞いて、未知の温度に寒気がした。

 

日本の最低気温に近いんじゃないのとTに確認すると、もっと下がるという。

タオルを一振りすると凍り付き、外で立小便すると、その形で小便が凍るという。

そんな馬鹿なといいつつ、私の笑いが凍り付いた。車で、吹雪の中、人も死ぬという。

Tは、頼れる友達がいるし、昨日の悪夢を思い出すなとばかりに私に、念を押した。

 

Tによれば、北の大都会だが、ニューヨークとは比較にならないと太鼓判を押している。

アメリカは理想の楽園として、ピューリタンたちがイギリスより逃れて入植した歴史がある。

神の名のもとに200年余り前に建国し、お金にもWe trust in Godと記入されている。

では、いつからこんな危険な国になったのだろうか。冷たい外気が私を包んだ。

 

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