蝦読weekly 20240204~0211 | 50までの抵抗

50までの抵抗

50代半ばのおじさんが主にランニングと読書で加齢に抵抗するブログ

 蝦読weeklyです。


小川哲著 『ユートロニカのこちら側』
 個人情報の提供をすることでもらえる報酬をもとに暮らす社会での物語です。
 昨年の1月に『地図と拳』で著者の作品に初めて触れ、本作で著者の作品は4作目となります。本著は個人情報を提供して報酬を得られる社会に馴染めない人たちがメインになっている短篇集。プライベートまで監視されているのは嫌だなぁと思いつつ、もしかすると今の社会はそうなり始めているのかなとも感じ、諸々考えさせられました。自分がこんな社会にいたら……きっと馴染めないだろうなあ。常に見られているのはイヤですね、やはり。小説としては非常に読みやすくて面白い。それぞれの主人公にも共感できることが多く、時間があれば一気に読み切れたであろう作品です。
 次に読む小川哲氏の作品は『ゲームの王国』です。Kindleでセールだったときに購入。上下巻なので後回しになってしまっていますが、近々読みはじめたいなぁと思っています。


芥川龍之介著 『地獄変』
 芥川作品の中で最も好きな作品です。
 何度読んだかわからないくらいにお気に入り。狂気、愚かさ、哀しさ……いろんな要素が短編の中に詰まっていて、ページ数は少ないですが、読み終えるたびに程よい疲労感とともに大きな息をしてしまいます。


芥川龍之介著 『竜』
 芥川作品でベスト3を選べと言われたら『地獄変』『奉教人の死』そして本作になります。
 基本はコミカルな話なのですが、その中で光る一瞬の竜の描写。惹きつけられます。何度読んでも好きなんだよなぁ。

 芥川龍之介は何らかの形で毎年触れ続けている作家の1人。短編ばかりなので、気が向いたときに読めるのも魅力です。だから早く全集読み始めなさいよ(笑)。

 最近、時間がとれないことも多く、1冊を読むのに時間がかかるようになってきています。
 一応、毎日活字に触れるようにしていますが、数ページで限界になることも。
 本当はもっと読みたいんだけどなぁ……。