蝦読weekly 20230108~0114 | 50までの抵抗

50までの抵抗

50代半ばのおじさんが主にランニングと読書で加齢に抵抗するブログ

 ども、蝦読weeklyです。
 今週読了した本はこちらです。



井上雄彦著 『THE FIRST SLAM DUNK re:SOURCE』
 元日に映画を見て、その後コミックスを全巻読み、その流れで手にしました。
 映画も衝撃的でしたし、コミックスも改めて読んで何度も鳥肌立ちましたし、今密かに自分の中では『SLAM DUNK』再評価の波がきています。この本は、映画のコンテや井上氏の描いたカット、インタビュー、映画に繋がったと言われるマンガ『ピアス』が掲載されています。絵の1つ1つが凄まじく上手い。こんなに絵が描けると「絵を描く」という行為が楽しくてしょうがないだろうと思います。で、今回の映画を通して著者の変わったことの1つが「絵がうまくなったこと」ってスゴくないですか? また、ストーリーを考えたり、何かの演出をするのは別なんだというのはインタビューを読めばわかります。
 映画のネタバレがたくさんあるので、映画を見たい人は鑑賞後がオススメ。映画が面白く感じ、そこに込めた著者のこだわりを様々感じたいのであれば一読の価値はあります。


柳田国男著 佐藤誠輔訳 『口語訳 遠野物語』
 タイトル通り。名著『遠野物語』は文語(雅文)体なので、それを読みやすく口語に訳した本です。
 『遠野物語』は私も何度か読んでいますが、確かに文語体が強敵ではあります。そこが良さでもあるとは思いますが。こちらは口語訳なので当然読みやすくなっています。もちろん、何が起こっていたのかというのもしっかりわかります。また、解説を読むと、ただ口語にしただけではなく、原典の雰囲気を損なわないように配慮した点もあるようです。文語の原典に壁を感じた人は、こちらから入ってみて、それでも興味がありそうなら原典に突入でもいいのではないかと思います。


高橋崇著 『奥州藤原氏』
 もとより奥州藤原氏には興味があるのですが、昨年の『鎌倉殿の13人』で若干ながら登場したので興味再燃。
 一読ですべて頭に入るわけはないので概略となりますが、ちょいと掴めた感じはします。鎌足の一族であることも再確認できましたし、貴族・平氏・源氏と様々な駆け引きをしつつ力を持ち続けてきたこともわかりました。それでも謎が多い勢力という認識は変わらず。奥州藤原氏を支えた経済的基盤はこの著書でも多く出てくる「砂金」ということでいいのか。泰衡が最後に平泉館を焼いた理由は何なのか。著者の他の著書で触れられているんでしょうかね? 謎が残るからこそ魅力を感じる一族ではありますが。
 私が奥州藤原氏に興味を抱いたきっかけは大河ドラマの『炎立つ』でした。『炎立つ』でも「東北地方で採れる金による財政基盤」説だったので、そういうことなんでしょうね。『炎立つ』原作、再読したくなってきたなぁ。


長山靖生著 『ゴジラとエヴァンゲリオン』
 『ゴジラ』シリーズと『エヴァンゲリオン』シリーズの作品紹介と考察の本です。
 両シリーズともチョロチョロと見ていますので、テーマとしては申し分ありません。最初の『ゴジラ』が太平洋戦争からの影響を強く受けた作品であり、影響を多分に受けている『エヴァンゲリオン』もまた戦争を意識した内容になっているといった考察は「なるほど」と腑に落ちました。どちらもこの著書後に『シン』が上映されたので、その後の著者による評価も聞いてみたいところではあります。とはいえ、両者を一緒に語る必要性があまり感じられなかったのも事実。……いや、きっと私の読解力不足なのでしょう。



 既報通り、先週の3連休は『SLAM DUNK』コミックス全巻再読期間でした。


 映画を見て、あまりの面白さに「読み直そうかなぁ」と思い立って31巻分。
 改めて読むと序盤の花道の言動には苛つく部分はあります(笑)。だからこそバスケット選手になっていく花道の姿がより印象的になっています。
 キャラやチームの抱えている過去・エピソードも共感できるものが多く、リアルでもある。
 登場人物の一人ひとりが強さも弱さも持っている。
 言うまでもなく、絵が素晴らしく上手いので、読むのはもちろん見ているのが楽しい。
 ウルウルさせられるシーンもてんこもり。
 久しぶりに読みましたが、全然色褪せてない! スゴイなぁと感じています。

 とりあえず個人的には
 海南大付属戦 赤木の独白「負けてない」から晴子の涙
 陵南戦 終盤の3ポイントシュートに喜び合う赤木と小暮の姿を見ている青田の表情
 山王工業戦 ベンチ入りメンバーの念を受け止めてコートに入る花道
 のシーンはいつも揺さぶられます。あとは山王工業戦、3連続でリバウンドに跳ぶ花道にはいつも鳥肌が立ちます。
 (わかんない人は是非「全巻」読んでほしい!)

 問答無用に名作でした。
 家のどこかに井上雄彦のイラスト集があったはず。引っ張り出そうかな。