ども、蝦読weeklyです。
今週読了した本はこちらでございます。
武村政春著 『ヒトがいまあるのはウイルスのおかげ!』
ウイルス概説。
以前、著者の別の本(『生物はウイルスが進化させた』)を読んだ際に、より入門編であると聞いていましたが、なるほど読みやすく、わかりやすく、面白い本でした。
ウイルスは悪というイメージがありましたが、生物の進化論の根底を揺るがす可能性も考えられる存在であり、今の生物の創造主かもしれないなんて聞くと、惹きつけられますね。
門外漢なのでわからんことも多くありましたが、この本はそれなりにわかったことも多く、良い本だと思います。
小津夜景著 『フラワーズ・カンフー』
Youtubeチャンネル「スケザネ図書館」にて小津夜景さんと須藤岳史さんの書簡集『なしのたわむれ』刊行記念動画が公開され、心を動かされたので小津さんの句集再読。
久々に手に取りましたが、フワッとした情景の浮かぶ優しげな俳句ばかりではなく、鋭く抉ってくるような、怖さを感じさせるような句もあって、以前読んだ時とはまた異なる読後感だったかもしれません。
上記の動画で十七字は十分に広いと言っていたのが何となくわかる世界観。小津さんの感覚は抉ってくるような表現も含めて、何か揺さぶられます。
句集や詩集はたまに再読すべきですね、難しいなりに。
伊藤 貫著 『歴史に残る外交三賢人』
名寄市への道中でfireに読み上げてもらって、後刻ザっとチェック。
バランス・オブ・パワー外交を軸にビスマルク、タレーラン、ドゴールという3人のヨーロッパの優れた外交官について述べられています。
ビスマルクって鉄と血のイメージしかありませんでしたが、冷静で先の読める人物だと知り、イメージはガラッと変わりました。タレーランは無学につき初めて名前を聞く人物ですが外交官としても人間としても魅力的。ドゴールも簡単に諸外国の言い分を聞くべきではないという先を読める分析のできる人物。混乱の時代を乗り切るための外交って、自国の将来を考え、目先の利得だけを考えてはいけないものなんでしょう。
まだまだ自分にはよくわかっていない偉人がいるもんだと改めて感じました。
『季刊 アンソロジスト 2022年 春 創刊号』
渡辺祐真(スケザネ)氏のコーナー目当てで手にした雑誌。
スケザネ氏のコーナーはもちろん、芥川龍之介の短編小説のエッセイ(私は芥川好き)や太田靖久氏の小説も面白く読ませてもらえました。
スケザネ氏のコーナーは詩や句を中心にした構成でちょっとだけ詩や俳句との距離が近くなった気がしたように感じます。中でも小津夜景氏の作品は俳句素人の私も惹きつけられる句がズラリ。
プラトン著 『ソクラテスの弁明』
5/4にセール中のブックオフに行ったので、道中fireで読み上げてもらいつつ。
ソクラテスの理屈はわかるし、弁舌は鮮やかだが。だからこそ刑に処されたというところなんでしょうかね? どう解釈すべきなのか、色々難しい本だなと思いました。
解説流し読みがいかんのかな……。
花田菜々子著 『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』
内容はタイトル通り。そして、著者が自立していく話。
書籍紹介の本としても、エッセイとしても、著者を主人公とした小説として読んでも秀逸です。著者の本に対する知識量と愛情、人間観察の力、そして一気に読ませる文章力には感服するばかりです。
タイトルだけで「二の足を踏んでしまうなー」と思うなら、読むことをおススメします。
2022マイベスト10には入ってくると思われるくらいに面白く読めました。
『鎌倉殿の13人』17話(敬称略)
広常誅殺から重くなるばかりの展開。広常、義仲ときて今回は義仲の嫡男:義高(市川染五郎)の最期が描かれます。義高を救うべく策を練る義時、その義時を信じきれない義高。そのすれ違いが義高を追い込み、最後、刀を抜こうとしても抜けなかった理由は……三谷幸喜の脚本が凄まじいです。本当に鬼です。
鎌倉の策略にはまった武田信義(八嶋智人)の言葉「お前たちは狂っている」が本当に響きます。義時も徐々に鬼と化す感じでしょうか。
そんな中、金剛(義時の子)、大姫(頼朝の子)の子役たちの好演が癒しです。
明日はいよいよ壇の浦。どうなりますか???
名寄市に行っている間に届いてました。
高価で高重量。
持っているだけで満足。