蝦読46 『オズの魔法使い』 | 55までの抵抗

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50代半ばのおじさんが主にランニングと読書で加齢に抵抗するブログ

 蝦読は私の拙い「読書感想文」です。
 記事内は敬称略ですのでご了承を。
 なるべく大きなネタバレをしないようにするつもりですが、ネタバレになっていたら目を瞑ってくださいますよう。

 

ライマン・フランク ボウム 『オズの魔法使い』

 言わずと知れた古典の名作。竜巻に巻き込まれて、魔法使い「オズ」が支配する世界に来たドロシーが、故郷に帰るために、途中で仲間と出会いながら、様々な冒険をする物語。世界的名作を江國香織訳で読めるという贅沢な一冊です。

 

 子どものころから大好きな作品。もしかすると人生の最初に触れた「海外文学」かもしれません。なぜかこの本は単行本で1冊、文庫で2冊ありました(笑)。いつの間にか買っていたみたいです。

 子どもの頃に初めて出会ったときは、表紙に描かれている主人公は少女だし、子犬は連れているし、魔法使いだし……と斜に構えて読み始めました。しかし読み進めていくうちに、主人公が苦難を乗り越える冒険物語であり、何かを成し遂げるために人が集まってきて協力する作品だし、しかも魔法使い「オズ」の正体があんな感じで……気づいていたらのめりこんでました。

 仲間と苦難を乗り越える作りは、趣きは違えど『南総里見八犬伝』に通じる作品なので、そりゃ好きになるってもんです。(というくらい、八犬伝も好き)

 ジャンルとしては児童文学の枠に入るのでしょうか?

 いわゆる「友情・努力・勝利」といった要素満載の少年ジャンプ系の作品でもあります。わかりやすいし、読んでいて安心できます。信じて、努力する者が最後に救われる。当然、現実社会はそこまで甘いものではなく、大人向け文学や小説もそこまで甘くない作品も多い。だからこそ、夢はかなうし、努力は報われる的な世界観があってもいいし、多くの人に読み継がれていくのでしょう。

 ちなみに好きなキャラはオズです。ドロシーの仲間もそれぞれ味があって好きですけど、正体がわかった時の「えええっ」感がよくて(笑)。

 

本作は江國香織の訳も読みやすくて良いし、ところどころに挿入される挿絵も雰囲気があっていいです。