蝦読は私の拙い「読書感想文」です。
記事内は敬称略ですのでご了承を。
なるべく大きなネタバレをしないようにするつもりですが、ネタバレになっていたら目を瞑ってくださいますよう。
ライマン・フランク ボウム 『オズの魔法使い』
言わずと知れた古典の名作。竜巻に巻き込まれて、魔法使い「オズ」が支配する世界に来たドロシーが、故郷に帰るために、途中で仲間と出会いながら、様々な冒険をする物語。世界的名作を江國香織訳で読めるという贅沢な一冊です。
子どものころから大好きな作品。もしかすると人生の最初に触れた「海外文学」かもしれません。なぜかこの本は単行本で1冊、文庫で2冊ありました(笑)。いつの間にか買っていたみたいです。
子どもの頃に初めて出会ったときは、表紙に描かれている主人公は少女だし、子犬は連れているし、魔法使いだし……と斜に構えて読み始めました。しかし読み進めていくうちに、主人公が苦難を乗り越える冒険物語であり、何かを成し遂げるために人が集まってきて協力する作品だし、しかも魔法使い「オズ」の正体があんな感じで……気づいていたらのめりこんでました。
仲間と苦難を乗り越える作りは、趣きは違えど『南総里見八犬伝』に通じる作品なので、そりゃ好きになるってもんです。(というくらい、八犬伝も好き)
ジャンルとしては児童文学の枠に入るのでしょうか?
いわゆる「友情・努力・勝利」といった要素満載の少年ジャンプ系の作品でもあります。わかりやすいし、読んでいて安心できます。信じて、努力する者が最後に救われる。当然、現実社会はそこまで甘いものではなく、大人向け文学や小説もそこまで甘くない作品も多い。だからこそ、夢はかなうし、努力は報われる的な世界観があってもいいし、多くの人に読み継がれていくのでしょう。
ちなみに好きなキャラはオズです。ドロシーの仲間もそれぞれ味があって好きですけど、正体がわかった時の「えええっ」感がよくて(笑)。
本作は江國香織の訳も読みやすくて良いし、ところどころに挿入される挿絵も雰囲気があっていいです。