2019サロマ湖100kmウルトラマラソン ~失速、そして復活~ | 50までの抵抗

50までの抵抗

50代半ばのおじさんが主にランニングと読書で加齢に抵抗するブログ

 当初の雨予報も何とやら。
 思っていた以上に暑さを感じたこのレース。
 レストステーションでは水分補給をしっかりと……否、たっぷりと行いました。
 今回の最大のポイントは、レストステーションでの過ごし方だったのではないか、と。


 走り始めると何やら違和感が。
 明らかに水分の摂りすぎによるお腹の痛み。
 うーん、思っていた以上に体が動かない。
 応援に来てくれていた同じ町の仲間の声にも「ハイ、あざーす!」と応えるのがやっと。


 キツイ。


 お腹が変だ。


 吐き気もする。


 力が入らない。


 体が思うように動かない。


 目を開けているのがつらい。


 このまま路肩で仮眠をとった方がゴールできるかも……。


 特に後半の2つ
 こんなの初めてのことだ。


 エイドごとに水分をちょっと摂っては走り、かぶり水をしては走り……。
 当初補給の中心にする予定だった黒砂糖と梅干は全く食べる気にならず。
 胃腸がやられていたのか、ハンガーノックか、脱水なのか……。
 レース後しばらくムカつき感がとれなかったから、胃腸がやられていた可能性が高いかも。
 70km過ぎのエイドではそうめんに手を延ばす。旨かった~。



 気持ちも徐々に萎えてきました。

 今回はもういいんじゃないか?


 ゴールできればいいじゃん。


 完走できれば十分だ。

 精神は身体を凌駕できませんでした。


 ごまかしごまかし走るものの明らかにペースはダウン。
 ずっとイーブンで走るはずだったのに、60kmあたりからラップは6分台/kmに。
 それでも一つだけは譲れないことが。


 私は走りに来たんだから、歩き続ける区間だけは作らない!


 70~80km間はLSD並み。

 それでも補給以外は意地でも止まりませんでした。何とか67分台。
 最後の難所、そして名所のワッカ原生花園入口。
 応援に来てくれていた、同じ町のランナー仲間が声をかけてくれました。

 「もう、完走は間違いないから、自分のペースで行きましょう!」

 何かがくすぶりはじめた気が。

 ワッカの入口は軽い上り坂。
 しかも木陰で涼しい。

 くすぶりはちょろっと大きくなった気が。

 80km地点のタイマーが7時間55分。
 「お? これはまだ大丈夫かも。サブ10行けるぞ!」

 あ、走れる。動ける。スピードも上がってきた。

 完全点火!
 蝦塩Q、何故か(笑)復活!


 人間って不思議だ。
 もしかしたら、ラスト20kmは精神が身体を凌駕したのかも。
 相棒が久々に1km5分台のラップを報告。

 「おー、まだ行けたか」

 何箇所かあった上り坂も脚は動く。
 周りが止まっているだけかもしれない。それでもいい。

 

 

 90km地点を通過。

 「あぁ、今年のサロマ湖も終わってしまう」

 この感じ方は気持ちが戻ってきた証拠。

 思えば、昨年は60km地点で「あぁ、もう半分ないんだなぁ」と感じたはず。今年は、そんな余裕はなかったなぁ……。
 後半のモチベーションは明らかに昨年の方が上だったと思うけど、ここにきていつもの感覚に戻ってきた感じはしました。

 折り返してから、すれ違うランナーたちがみんな左側に傾いて見えるのは、気のせいなのか、地形のせいなのか、風のせいなのか、目やら何やらがやられていたのかはわからないが、まぁ、いいや(笑)。


 ワッカを抜けるとちょうどワッカに入ってくるランナー仲間とすれ違う。
 互いに声を掛け合ってラストスパートへ。
 ラストは、あの茨城100kmを思い出させる向かい風。向かい風は大嫌い。
 でも、頑張れた。あと2kmでゴールだから。

 

 つづく