『理想的本箱 君だけのブックガイド - NHK』の定時放送8回目は「眠れないときに読む本」です。
眠れない時、その時の過ごし方を豊かにしてくれそうな本たちが選ばれているようです。
(NHKの『「眠れない時に読む本」 - 理想的本箱 君だけのブックガイド - NHK』(C)NHK)
「眠れない時に読む本」
ブックディレクターの幅允孝さんが選書したのは、以下の3冊です。
1冊目:『トムは真夜中の庭で』
フィリパ・ピアス
2冊目:『泣きたい夜の甘味処』
中山有香里
3冊目:『果てしなき流れの果てに」』
小松左京
1冊目:『トムは真夜中の庭で』フィリパ・ピアス
(NHKの『「眠れない時に読む本」』より1冊目(C)NHK)
トムは真夜中の庭で (岩波少年文庫) Amazon
トムは真夜中の庭で (岩波少年文庫 041) [ ピアス,A.P.(アン・フィリパ) ] 楽天
幅允孝さんによると
眠れない夜がつないだ
少年と少女の冒険譚
と、この本のことを評されていました。
著者のフィリパ・ピアス(1920~2006)さんは、イギリス生まれの女性で、児童作家。本書でカーネギー賞(※)を受賞された方です。
※カーネギー賞は、イギリスの図書館協会が児童文学に贈る賞で、鋼鉄王アンドリュー・カーネギーが図書館の発展に寄与したことからできたもので、2023年からはカーネギー作家賞という名前になっているそうです。
映像の帯による紹介では、作品の冒頭の少年が真夜中に13の鐘の音を聞き、裏のドアを開けて外に出て冒険を始める部分が映像化されており、のちには少女も登場していくんだそうです。
幅允孝さんによると、「子どもを大人にするだけでなく、大人の中にある子どもの無垢を再生させる。」んだそうで、面白そうだな~と思いました。
2冊目:『泣きたい夜の甘味処』中山有香里
(NHKの『「眠れない時に読む本」』より2冊目(C)NHK)
泣きたい夜の甘味処 (コミックエッセイ) Amazon
本書について、幅允孝さんによると
痛みと対峙してきた著者が描く
生きるための甘いものマンガ
と評されています。
著者の中山有香里さんは、イラストレーター&看護師という方で、2018年に『ズルいくらいに1年目を乗り切る看護技術』を書き、本書で第9回料理レシピ本大賞コミック賞を受賞された方です。
映像の帯では、悩みや痛みを受けた様々な登場人物たちが、夜にだけやっていて甘味を一品しか出さないクマと魚がやっている甘味処で、その甘味を食べながらお店のクマと魚に元気をもらうような作品になっています。登場人物についてはアナザーストーリーも用意されていて、その登場人物をまた違く角度から眺めることができるものになっているそうです。
登場する甘味のレシピがついており、紹介の後にそのレシピのパフェを吉岡里帆さんたち3人が食べてトークするなんて言うことも行われて、ほっこりする感じの作品なんだな~と思いました。
3冊目:『果てしなき流れの果てに』小松左京
(NHKの『「眠れない時に読む本」』より3冊目(C)NHK)
果しなき流れの果に (角川文庫) Amazon
果しなき流れの果に (ハヤカワ文庫JA) [ 小松 左京 ] 楽天
本書について、幅允孝さんによると
あらゆるジャンルを編み上げ
宇宙の深淵に臨んだ一大叙事詩
と評されています。
著者の小松左京(1931~2011)さんは、1931年に大阪に生まれたSF作家、『日本沈没』で日本推理作家協会賞を受賞しています。本書は34歳のときに書いたものだそうです。
映像の帯では、さわりだけですが、腰を据えないと読めなさそうな雰囲気で、没入感のあるSF小説のような感じでした。進化や歴史に未来から干渉する者たちと、それを阻止しようとする者たちの攻防の小説なんだそうです。
今回は、真夜中に冒険したいなという本や、夜に癒されたいという本、読むことで没入して時間を忘れることができそうな本という「眠れない時」を様々な方法で楽しむことができそうな本が選ばれていました。
(NHKの『「眠れない時に読む本」 - 理想的本箱 君だけのブックガイド - NHK』より今回の3冊(C)NHK)