#720 レビュー 『ギリシア悲劇 永遠の人間ドラマ』楠見千鶴子 | 歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

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ギリシア悲劇を小説風に楽しむことができる『ギリシア悲劇 永遠の人間ドラマ (アテナ選書) [ 楠見千鶴子 ] 』について

ギリシア悲劇主要10作品を小説風に、各作品の要素を楽しむことができる1冊。

 

  レビュー

本書は、著者の楠見千鶴子さんによるギリシア悲劇主要10作品を小説風に編集してくれたものになります。

 

以下の10作品になります。

 

    
  1. トラキースの女たち(ソポクレス)
  2. ヒッポリュトス(エウリピデス)
  3. メーディア(エウリピデス)
  4. オイディプス王(ソポクレス)
  5. テーバイを攻める七将(アイスキュロス)
  6. アンティゴネー(ソポクレス)
  7. アガメムノン(アイスキュロス)
  8. エレクトラ(エウリピデス)
  9. 縛られたプロメテウス(アイスキュロス)
  10. ペルシアの人々(アイスキュロス)

 

岩波書店の『ギリシア悲劇全集』でそれぞれを読みましたが、それは舞台で2時間くらい上演される悲劇のようなものなので、かなりの分量になってしまいます。

 

そこからすると、本書の良さは今の人でも楽しめるように小説にしてくれ、なおかつ、かなり枝は部分を落としてくれ、登場人物も絞ってくれているので、悲劇の全容を理解できるように再編集してくれているので、本当にわかりやすくてありがたい。

 

ギリシア悲劇全集などで読まなくとも、この本で現存する33作品中の10作品の悲劇のエッセンスを読んだふりを十分にできる仕上がりになっています。

 

 

本格的にギリシア三大悲劇詩人の作品を味わいたいという方に対しては、まずはこちらで味わってから、岩波書店の『ギリシア悲劇全集』を読むというのが順番的にいいのかと思います。

 

ギリシア悲劇の入り口としても、またタイパ重視で読んでおきたい人にもおススメです。

 

〈書籍データ〉

『ギリシア悲劇 永遠の人間ドラマ』

著 者:楠見千鶴子

発 行:同文書院

価 格:1,200円

 1993年9月25日 第1版第1刷発行

 アテナ選書Ⅰ

 
 
 
 

 

 

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