#622 第10回「月夜の陰謀」感想~大河ドラマ『光る君へ』 | 歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

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ついに花山天皇をだまし討ちのように退位させる藤原兼家の右大臣家『大河ドラマ「光る君へ」 - NHK』の第10回「月夜の陰謀」について

右大臣藤原兼家一族の陰謀で、花山天皇は退位、そちらも気になるが、道長とまひろの恋の進展も気になる第10回

 

(NHK大河ドラマ『光る君へ』より花山天皇の出家&退位(C)NHK)

 

第10回はいろいろ大きな転機、今後どうなるのかと思わせる話でした。

 

史実としての転機は、花山天皇がわずか2年で、その最愛の女性忯子の成仏を願って出家して退位し、藤原兼家の孫である東宮が即位し、右大臣から摂政となり権力の頂点に昇り詰めることになります。

 

陰謀(花山天皇の出家退位)の決行にあたり、安倍晴明からその日を知らされた藤原兼家は、道隆、道兼、道長だけでなく、道綱も集めて作戦を練ります。そして道長には関白に対して、成功した場合はその旨を伝え、失敗した場合には兼家の策を暴露して、自分は知らなかったというように兼家から指示を受けます。兼家としてはバクチといってもいい策なので両面で対策を練るというしたたかさが表されています。

 

本作では、花山天皇は右大臣家を嫌っていましたが、それゆえに藤原兼家に愛されずに折檻まで受けてしまったという道兼を信じ、側で藤原義懐らが忯子への想いを理解してくれずに孤立を深める中で、道兼のみがその想いを理解してくれることから、安倍晴明から兼家、道兼経由でその出家に良い日を教わることになります。道兼も一緒に出家することを申し出ます。
 

(NHK大河ドラマ『光る君へ』より花山天皇の出家決行(C)NHK)

ついに6月23日決行となります。月夜の明るい中で、元慶寺に二人で秘密裏に宮中を出て向かおうとします。ここで花山天皇は忯子の文を忘れたことや、その明るさで止めようという発言をしますが、道兼がどうにか牛車に載せることに成功し、牛車は安倍晴明の家の前を通り過ぎます。

 

その間に天皇のあかしともいうべき三種の神器が花山天皇の下から兼家の孫の東宮懐仁親王のもとに届けられ、天皇として即位することになります。一条天皇です。

 

元慶寺で花山天皇は出家しますが、ここで道兼は出家などしないとしてその場を去ります。花山帝は見事に裏切られてしまいます。

 

翌朝、念願叶った藤原兼家は一条天皇の摂政となり、道兼を蔵人頭にします。藤原実資は解任されることになります。そもそも自体が分かっていなかった実資は驚き、怒りをあらわにしますが、今回の論功行賞的な意味で道兼が蔵人頭になります。

 

道長とまひろの関係についても大きな転機がありました。こちらはドラマの設定として道長がのちに摂関政治全盛を演出する中での政治姿勢などの影響のために必要なものとしての展開なんだと思います。

 

道長は、まひろへの思いを募らせる一方で恋の歌を贈り、一方のまひろは漢詩でそれを返すというものでした。そのことを道長は誰とやり取りしているのかや、その内容は伏せて藤原行成に相談したところ、漢詩は志を現すものとの回答を得ます。藤原行成は後の道長政権で蔵人頭として有能振りを発揮するだけあって、その知性を感じさせます。

(NHK大河ドラマ『光る君へ』より男女の仲となる道長とまひろ(C)NHK)

行成の回答で漢詩でまひろに会いたいことを伝え、二人は月夜に会います。藤原道長は右大臣家の一員であることを捨ててまひろと一緒になって遠くに行きたいと熱く恋心を語りますが、まひろは散楽の直秀のようなものが生まれないような政治の実現を求めて、一緒に駆け落ちするようなことは拒否します。その後は男女の仲となります。正直この部分については、ドラマだから割り切ってみるかという感じです。

 

次回から、ついに政権首班となれた藤原兼家の政治が始まっていくことになります。その中で道長がどのような立ち位置を得るのかが注目です。

 

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