レビュー
(『世界史スペシャル 古代ギリシャ - 歴史探偵 - NHK』より古代アテネ異民族との戦い(C)NHK)
地中海交易で栄えた古代アテネとギリシア世界に危機が訪れます。
東方の大国ペルシア帝国がギリシア世界に領土拡大から攻撃を仕掛けてきました。
(『世界史スペシャル 古代ギリシャ - 歴史探偵 - NHK』より、ペルシャ帝国(C)NHK)
古代ギリシア世界は、4年に1回のオリンピアで開催される競技会のときだけは、ギリシア神話の主神ゼウスに捧げられるものなので休戦するという決まりがある通り、アテネ・スパルタなどの様々なポリス国家はギリシア世界の中で戦争し続けている状態でした。
そこに東方から超大国のペルシア帝国が現れました。アテネ・スパルタなどの古代ギリシアの各ポリスはギリシア連合軍を形成して、これにあたることになります。
その代表的な戦いが、紀元前480年サラミスの海戦が始まります。
(『世界史スペシャル 古代ギリシャ - 歴史探偵 - NHK』より、サラミスの海戦とその状況(C)NHK)
アテネはこの開戦に向けて、200隻近くの三段櫂船を準備します。それは全長40mで170本のオールを三段に並べたものです。アテネの港近くにその古代のドック跡が見つかっているそうです。2500年前のそのものが実際に残っているのはロマンを感じます。
ギリシア側はこの三段櫂船の先頭に青銅製の衝角をつけ、これを敵戦の側面にぶつけて穴をあけて沈没させる戦法を使います。ただこの戦法を実現するためには高い機動力が必要であり、そのためには漕ぎ手たちが息を合わせた操船が出来なければなりません。アテネでは3万人もの市民らがその操船特訓を行ったそうです。
サラミスの海戦の時には、すでにアテネは町をペルシア軍に占領されており、この開戦で負ければ滅亡という崖っぷちにありましたが、勝利を収めます。このときの三段櫂船の漕ぎ手は比較的
貧しい市民が多く、彼らも祖国を滅亡の縁から救った存在であることから、政治参加への道が開かれ、民主主義がさらに盛んになったと先生が解説していました。
外敵による市民の結束、その勝利、それによる民主主義の更なる発展という描かれ方が特徴的でした。