#583 色彩豊かな古代ギリシア ~『歴史探偵 古代ギリシア』その1  | 歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

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ギリシア悲劇を読み始めたときに、NHKの歴史探偵でタイムリーな特集『世界史スペシャル 古代ギリシャ - 歴史探偵 - NHK』が放送されました。そのレビューです。全3回書きます。
ちなみ、2500年前で日本は弥生時代で稲作が広まっていたころなんだそうです。
 

  レビュー

ギリシアといえばアテネのパルテノン神殿やゼウス像などの彫刻を思い浮かべます。そのイロハというと”真っ白”というイメージではないでしょうか。私はそうです。

 

今回の特集での学びは、実は真っ白ではない。色とりどりなものであったということです。

(『世界史スペシャル 古代ギリシャ - 歴史探偵 - NHK』の真っ白なパルテノン(C)NHK)

この巨大な建物は、長さ70m、幅31mあり、柱の高さ10mもある建物で、後世の理想の建築美として、大英博物館、リンカーン記念堂のモデルとされ、ユネスコのマークはこのパルテノン神殿から来ているそうです。

 

優れた耐震性

パルテノン神殿の耐震性について、その柱の構造によって阪神淡路大震災の震度7クラスでも持ちこたえることができるレベルだそうです。

(『世界史スペシャル 古代ギリシャ - 歴史探偵 - NHK』のパルテノンの柱の構造(C)NHK)

大理石のこのドラムと言われる赤く囲まれた石それぞれが、地震の揺れをズレたのちに戻ることができるような構造になっていて、これで驚くべき耐震性を確保しているだそうです。残り続けるだけの理由があるということが分かりました。

 

ギリシアは真っ白ではない⁉

パルテノン神殿の内部調査で、パルテノン神殿は真っ白ではないことでした。

(『世界史スペシャル 古代ギリシャ - 歴史探偵 - NHK』より、パルテノン神殿内部の青や青緑の染料(C)NHK)

 

パルテノン神殿の屋根の縁なども、様々な染料でオリュンポス12神などが描かれているんだそうです。白に映える感じになっていたんでしょう。

 

ギリシア彫刻も白のイメージでしたが、コレ―と呼ばれる古代ギリシア女性像のX線解析を行うと赤や緑などの染料が使われていたことが分かったそうです。

(『世界史スペシャル 古代ギリシャ - 歴史探偵 - NHK』より、X線解析で分かった色でのイメージ(C)NHK)

 

これらの色は、赤はレムノス島から、黄色はキプロス島から、青は遠くのアフガニスタンの者だそうです。

(『世界史スペシャル 古代ギリシャ - 歴史探偵 - NHK』より赤・黄・青の染料の産地(C)NHK)

海洋国家のアテネは、交易で栄え、各地から様々な物資が集まっていたことを指し示しているんだと思います。

 

実際に、アテネでは、赤ワインならメンデ産を、白ならタソス産を、チーズはシチリア島からといった記録もあるそうで、今の美食家顔負けな世界レベルでの食通だったとのことです。

 

なぜ、ギリシアは真っ白なのかについて、解説の栗原先生によるとパルテノン神殿は風雨にされされるうちに白くなってしまったことと、ヨーロッパでは白は高貴な色で、ヨーロッパの源流的存在のギリシアは、そんな城の世界であってほしいという願望がによるというのが興味深かったです。

 

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