#282 第22回「設楽原の戦い」感想~大河ドラマ『どうする家康』 | 歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

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2023年6月11日の大河ドラマ『どうする家康』信長との緊迫した関係から一転して武田勝頼と戦う織田・徳川連合軍の第22話「設楽原の戦い」の感想

圧倒的な信長、圧倒される家康・信康親子、その信康の人格に大きな変化が・・・

 

同盟破綻寸前まで行くも、鳥居強右衛門と亀姫により、長篠救出に向かうことになった21話

 

冒頭の瀬名姫と幼き頃の信康と亀姫のやりとり、命に配慮する心優しき信康。これが設楽原の戦いで大きなショックを受け人が変わるというストーリーが、次回以降の築山事件での瀬名姫・信康の悲劇に向かってより大きく進んでいくこととなる流れへと導くものなんだなというのがこの回全体を通じての感想です。

長篠城と設楽原の状況。援軍が来たとはいえ落城寸前の長篠城。織田・徳川連合軍3万は援軍に来たとはいえ、一気に武田勝頼を攻めることなく、馬防柵つくりに明け暮れ、しびれを切らした家康・信康・酒井忠次が信長に長篠城の一刻も早い救援を求めます。
 
そこで、信長らの猿芝居なふるまいで導かれるように、酒井忠次の提案で武田軍が長篠を包囲する一角の鳶ノ巣山砦を攻撃させられることになります。ここで、ここ最近見ていなかった酒井忠次の十八番”えび掬い”の踊りがさく裂します。
※三河物語などでは、織田に導かれてやらざるえなくてやったという形にはなっていません。
 
この動きは武田軍にも読まれていましたが、鳶ノ巣山砦を落とされ、退路が断たれたことから、父の信玄なら退却を選ぶのですが、そこで武田勝頼は織田と徳川の二人がそろっているこのような状況はないこと、確実な勝利を積み重ねるだけでは天下は狙えないと父を超えるためにあえての戦いを選びます。そこでの家臣や兵士を鼓舞する勝頼の演説はこの話の一番の見どころと思いました。また土曜日の再放送でも見たいです。
 
戦い自体は、織田が圧倒的な鉄砲でその演説で奮い立った武田軍を完膚なきまでも叩きのめします。その最後のシーンで穴山梅雪を映したのは、武田家滅亡で実は大きな役割を果たすのでそのための伏線というところなんだと思います。
 
戦勝後の祝いの席で、信長は娘の五徳に、徳川こそ一番注意すべき存在として織田信長の娘として見張ることを命じます。信康と瀬名姫の悲劇の築山事件に向かってより大きく進むこととなる設定です。
 
この戦いをみて、家康もショックを受けますが、それ以上に信康が大きなショックを受けることになります。そして21話では持ち越されていた結論として、織田家への臣従を親子ともどもで誓うことになります。信長の指示のもと武田勝頼攻めに取り組みますが、ここで設楽原で信長の戦い方に大きなショックを受けた信康が人が変わったように戦いますが、それは信康が設楽原のトラウマを払うために苦しんでいる姿という設定のようです。その苦しみは妻の五徳(信長の娘)ではなく、母の築山殿(瀬名姫)に向かいます。それはのちの大いなる悲劇の開演間近を告げるものだと思います。
 
22話は、設楽原の戦いという織田・徳川の最大の強敵の武田家に大打撃を与えた両家にとって素晴らしいものですが、その水面下で進行する徳川家の最大級の悲劇にむけて一気に突き進んでいく設定を積み重ね続けた1話でした。
 

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