2023年大河『どうする家康』20話「三河クーデター」についての『三河物語』では、かなり手厳しい悪者扱いの大岡弥四郎さんです。
大賀(大岡)弥四郎の私利私欲な謀反
毎熊克弥さんの演じる大岡弥四郎(NHK大河ドラマ『どうする家康』より)
大河ドラマでは、戦いに明け暮れる徳川家に嫌気を指し、めしをたらふく食えて、酒をたくさん飲んで・・・と生きることを楽しみたいとの思いから、武田家と通じて岡崎城主の徳川信康とその母築山殿を殺害しようとするも、築山殿のやさしさに触れて改心してしまった山田八蔵の密告で失敗に終わるも捕えられ、武田に乗せられてなんでなく、自分たちの意思で起こしたんだと啖呵を切った大岡弥四郎、『三河物語(以下、物語)』では、大賀弥四郎と表記されています。
物語では、大賀弥四郎の謀反と題して、かなり手厳しい記載になっています。
1575(天正3)年に、家康の譜代の大賀弥四郎は豊かに暮らしていたのに、あまりに栄華でおごったのか、道義にもとる謀反を企て、主君を討ち、岡崎城を自分のものにしようとしたと私利私欲のものとして描かれています。
山田八蔵など仲間に引き入れ、岡崎城奪取計画を練り、武田勝頼に以下の申し入れを行います。
・武田勝頼には作手まで出陣してほしい
・大賀弥四郎の名乗りで岡崎城の門を開けることができるので、家康の岡崎入場に先立って武田の者を入れることができる
・入城したら、すぐに岡崎城主の徳川信康を討ち取ってしまえば、みな勝頼に降参してくる
・大久保一族だけが家康に従うだろうが岡崎においている妻や子を捕まえてしまえば、仲間に入るかもしれない
・岡崎城に入ろうとする家康はこの事態に驚き逃げるが、家康の首も取れるはず
勝頼も喜んで作手に出陣します。
山田八蔵は、計画は成功しそうだが、家康様を討てなかった場合に仲間になっているのは不都合だと、家康にこの計画を打ち明けてしまいます(打ち明ける相手は違うようですが山田八蔵が密告してしまうことは同じです)。
一方の大賀弥四郎は、女房に向かって主君を討つことを話しますが、女房は本気にしません。しかし重ねて弥四郎が言うので、女房は驚き、天運がお尽きになったことだと、計画を思いとどまることを求めます。できないなら計画は失敗するから今すぐ自分を殺してくださいと言います。
山田八蔵から漏れた計画により、大賀弥四郎はお城で捕まり、大久保七郎右衛門尉忠世(小手伸也さん演じる)により浜松に護送されました。女房子供5人は磔になっていた。大賀弥四郎は岡崎に戻され、岡崎の街の辻に掘られた穴に入れられ、首板をはめ、10本の指を切って目の先に並べ、足の大筋も切られて生き埋めにされた。そのそばに竹ののこぎりと鉄ののこぎりの2つが置かれてあり、通りゆく人により2つののこぎりをとりかえとりかえ引かれて1日の内に殺された。
←かなり残酷な最期です。
武田勝頼は作手に出陣していたが、計画が露見したことから、二連木へ攻撃をかけるも退去して、長篠へ攻め寄せて、城の攻撃にかかった。家康と信康は野田へ押し寄せた。
大河の大岡弥四郎は大義名分がありそれを叩きつけて言い分がある感じで大岡弥四郎が裏切ったことに家康もショックを受けるわけですが、物語では譜代で取り立ててもらったのにそれに満足せずに裏切ったから天罰が下ったという完全な悪者扱いになっています。