#205 ブックレビュー『才能をひらく編集工学』著:安藤 昭子  | 歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

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もっと本をしっかり読みたい、そしてブログて発信したいと思い、私の読書の指針的存在の松岡正剛先生の編集工学を知るために読んだ1冊

 

編集工学の意味とその方法を具体的なメソッドで学ぶことのできる実践的な1冊

”編集工学”って何、どんな方法で行うものなのかをメソッド付きで学ぶことのできる1冊

<書籍データ>

著 者:安藤 昭子

発 行:㈱ディスカバー・トゥエンティワン

価 格:1,800円(税別)

 2020年8月30日第1刷発行

  著者の安藤 昭子さんについて

編集工学研究所・専務取締役

イシス編集学校」にて松岡正剛に師事、その後、2010年に編集工学研究所に入社

多領域にわたる課題解決や価値創造の方法を「編集工学」を用いて開発・支援をされている。

 

  本書について

 

編集工学とは、情報を工学的な組み立てを借りながら編集すること

第1章 編集工学とは?

いまから30年ほどまえに松岡正剛さんが創始し、「複雑なものを複雑なままに扱う技術」

「才能」の「才」は素材に備わる資質(内側にある)で、「能」はそれと引き出す(外側にある)ことで、自分の内側に眠る「才」を聞き取り、編集力という「能」で表に表すその方法をエンジニアリングしたものが「編集工学」なんだそうです。

自分の奥に眠る「才」に触れるには、自分の固定観念の層をときほぐすことが必要なんだそうです。第2章以降はその固定観念の層をほぐす実践が待っています。

 

第2章 世界と自分を結びなおすアプローチ

以下の10のアプローチのついての説明が展開されます。

アプローチ 1:分節化(アーティキュレーション)

アプローチ 2:関係発見力

アプローチ 3:固定観念から脱する「飛び移り」の技法

アプローチ 4:似たもの探し 柔らかな戦略思考「アナロジカル・シンキング」

アプローチ 5:「あてずっぽう」のすすめ ゆきづまりを突破する「アブダクション」

アプローチ 6:文脈に導かれる いい塩梅を捉える「アフォーダンス」

アプローチ 7:原型をたどる 前提ごと問い直す「そもそも思考」

アプローチ 8:「らしさ」に着目する 見えないものを「価値」に変える

アプローチ 9:伏せて、開ける 創造性を引き出す「余白」のマネジメント

アプローチ10:物語を与える 心を動かす「ナラティブ・アプローチ」

 

面白かったのが経営者らが、先行き不透明な状況になるほど、「ロジカル・シンキング」ではなく「アナロジカル・シンキング」で突破口を開いているというハーバード・ビジネス・レビューの結果でした。コロナ禍、ロシアのウクライナ進攻の長期化、米中対立の激化と不安定な時代だからこそ、「アナロジー」を駆使して考える必要があるということなんだと思います。

 

第3章 才能をひらく「編集思考」10のメソッド

第2章のアプローチを受けて、実際にどのように

メソッド1:思考のクセに気づくアテンションとフィルター

メソッド2:情報の周辺を照らす連想ネットワーク

メソッド3:見方をガラリと変える情報の「地と図」

メソッド4:たとえ話で突破するアナロジカル・コミュニケーション

メソッド5:新たな切り口で分類する軸の持ち込み

メソッド6:組み合わせて意味をつくる三点思考の型

メソッド7:原型から価値を見出すアーキタイプ連想

メソッド8:優れたモデルを借りてくる見立ての技法

メソッド9:好奇心を触発する開け伏せ具合

メソッド10:物語の型を使うヒーローズ・ジャーニー

 

それぞれに例題があり、解説があり、何度か繰り返すことで、”編集工学”を自らに落とし込んでいくことにつながる設計になっています。

 

その後は、編集工学研究所が取り組んできた仕事などがつづきます。

”編集工学”のことだけでなく、日本文化のことや、ものの見方や考え方なども知ることができるそこを読むだけでも好奇心をくすぐられる1冊でした。

 

 

 

 

 
 

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