Life's a Little Blue.. -30ページ目

Life's a Little Blue..

Day-to-day life in Ebetsu City, Hokkaido.

 春なのに雨ばかりふっている。ここ数日は風がとても強く、ダウンコートが必要なほど寒かったり、こんなに天候が悪くて、桜なんてほんとうに咲くんだろうか、と思っていた。でも、月が変わり束の間の五月晴れのある日、冷たい風が吹くなか公園に出かけてみると、桜は、咲いていた。まだ八分咲きくらいだろうか。いくらか小さなツボミが見られたものの、まずは今年も春を迎えられて良かった。

 

 「桜の樹の下には屍体が埋まっている」とは、梶井基次郎の有名な小説だが、小説を読んでいなくともこの強烈なイメージだけは、どこかで聞いて憶えている人が多いんじゃないか。いっせいに咲いてすぐ散ってしまう桜の儚さ、潔さ、「死」のイメージが人々の心にいろんなことを考えさせるのだろう。

 

 「願はくは 花のしたにて春死なむ その如月の望月の頃」

 (西行法師の句)

 

 満開の桜をさがして泉の沼公園の遊歩道を妻と歩いていると、目の前の木々のあいだを何かがすばしこく走り抜けていくのが見えた。正体はエゾリス。草花が芽吹きはじめる今ごろは、食べもの探しに忙しいのかもしれない。ササッと木登りしてどこかへ行ってしまった。江別は自然が多く残っているので、時々、予想外の野生の生きものに出くわす。

 

 二年前、この家に越してきたばかりのころ、自室でギターを弾いていたら「キャーン キャーン」と鋭く鳴く声が聞こえてきた。何かと窓を開けると、鳴きながらじっとこちらを見つめている痩せたキタキツネと目が合った。「俺の縄張りに何やら騒々しいヤツが越してきたな」という顔をしていた。