両親がまだ生きていたころの話だが、ひさしぶりに帰省した私に、父が、滝野に自分たち夫婦のお墓を買ったのだ、という。「札幌市内だから、おまえ達も来やすいだろう。」そう言って父は満足そうに笑う。私は「ふーん」としか言いようがなかった。ほかに何が言えるだろう? それからほどなくして、両親はそのお墓に入った。南区にあるその霊園をはじめて訪れたとき、故人たちのマンモス団地みたいだ、と思った。何千ものお墓が、まるで団地住まいのように、広大な土地に整然とならんでいた。お墓の集合住宅。私の両親はご近所さんと仲良くしているだろうか。今年も、お盆の混雑をさけて先日、妻とともに墓前に手を合わせた。人はこうして生まれて、生きて、そして死んでいく。
前回の記事で、北海道が猛暑で大変なことになっていると書いたが、その後何日かして、暑さのピークは過ぎ去ったようにみえる。(それでも日中の気温は30度近いんだけれど...)そして例年だと岐阜県の多治見市が40度超えの常連さんだったんだが、今年はなぜか群馬県などの北関東から石川県の北陸地方までが、41度を超える記録的な猛暑にみまわれているようだ。夏に涼しいところなんて、今の日本にはもうないのかも知れない。ここ数日、札幌近郊では気温こそそれほど高くないものの、雨が続いてなんだかジトジトしている。ひさしぶりに近所の洋食カフェ「Bon Vivant(ボン・ヴィヴァン)」に行った。異国情緒が感じられる美しい内装の店だ。カフェの雰囲気にあわせボサノヴァ調にアレンジされたマイケル・ジャクソンが昼下がりの店内にうっすらと流れるなか、ハーブがブレンドされた紅茶を時間をかけて、私は飲んだ。

