沖縄から帰ってきてこのかた、いまひとつテンションの上がらない毎日を過ごしている。先日、静岡大学教授の吉村仁氏が書いた「素数ゼミの謎」という本を図書館でかりてきて読んだ。アメリカの南東部では、13年周期できまった年に大発生するセミと、おなじく17年周期で発生するセミの2種類が生息している。「13」と「17」。どちらも素数の周期のこの年に、アメリカのセミはどうして大発生するんだろう。
著者によると、およそ180万年前の氷河期の時代には、たとえば12年とか15年などのように素数じゃない周期のセミもいたのではないかという。これらの周期のちがうセミの種族は、たまたま同じ年にほかの種族も発生したばあい、「交雑」して、もともとの種族と異なる子孫が生まれてしまう可能性がある。だから、できるだけほかの種族と発生のタイミングが重ならないほうが生き残るのには有利だ。素数の周期は、ほかの年数との最小公倍数が大きく、タイミングが重なる確率がすこしだけ小さいので、結果として素数ゼミだけが生き残ったのではないか、と著者はいう。ゾクゾクするほど、面白い。
この本は、情報図書館ではなぜか児童向け図書のコーナーに置かれていたんだが、素数の特殊性を知っている大人のほうがより楽しめるんじゃないかな。
そういえば、別の本で素数をもとめる公式として「Xの二乗+X+41」というのが紹介されていて、計算してみるとたしかに素数になる。こんなに単純な公式でもとめられるのか、と思ったら、残念ながらXが40未満のときにしかこの公式は成立しないらしい。
アタマが痛くなるくらい数字が苦手なのに、こういう話には、どういうわけか好奇心を刺激される。
写真とは1ミリも関係ない話ですみません。あまり長く更新しないのも何なので.....