* 小樽あまとう
* 北海道小樽市稲穂2丁目16番18号小樽都通り商店街内
* URL https://otaru-amato.com/
久しぶりに妻と小樽までドライブ。インターチェンジを駆け上がると秋の青空を背景にススキの穂が風に揺れている。小樽は、コロナ禍の喪が明けて人出がもどってきたようだ。気持ちの良い日差しのなかを輪タクのこぎ手たちが屈託なく笑いながら汗を流している。運河で有名な街だが今日の私たちの目的は運河ではない。人もまばらで昭和のまま時間が止まったような「小樽都通り」のアーケード街をずんずん歩いていくと、お目当てのその店は、ある。
「あまとう」がコロナ禍のあおりで喫茶店を閉鎖したとき、このまま店そのものが閉店するのだろうとあきらめていたが、さにあらず。丸三年閉鎖していた喫茶店を復活したと聞いて行ってみると、昔と何も変わらないスウィートな空間がそこにあり、その中で私と妻は女子高生のように額をつき合わせて牛乳の味わいが旨い「ぜんざい」を堪能したのだった。
小樽は函館とともに北海道では珍しい港町の一大観光地だ。昭和40年代の埋め立て派と存続派による「小樽運河論争」を経て現在に至っている。運河周辺は観光バスが乗りつけて人通りが多く、ちょっとイタリアのリゾート地のように洗練して見えなくもない。そこから駅に向かって坂を上るとすぐに地元の生活感がそこここに見えてくるのだが、そういうところも全部含めて小樽は、観光地としての基礎体力が高い素敵な街だと、そう感じた。