そう思ってとりあえず向かったのが知床峠。
眼下に北方領土を見下ろし、振り返れば羅臼岳が屏風のようにそり立つ風景を堪能し、羅臼町に向かう予定でした。
ところが、知床峠は霧の中。
360度白い霧に包まれている。
天気には逆らえないと、アリバイつくりのように写真を撮って、スゴスゴと羅臼へと降り立って間もなく、明るい陽射しが差していて、なんとまあ美しい景色が広がっているではないか。
知床は美しい。
峠を降りれば、待っているのは熊の湯。
ジリジリとした熱い湯で有名な温泉のはずが、熊の湯に行く吊り橋に何やら不穏な看板が。
「熊の湯の水温が上がらない。調査のため、現在閉鎖中」と書かれているではないか。
こんなトラブルもあってしかり。
だとしたら次のターゲットは、羅臼の道の駅だ。
確か、景気のいいお兄さんが、タラバガニの試食をドンドコ手渡してくれるはず。
期待に胸を膨らませて行ってみると、試食の準備はしているものの、全く手渡そうとしてはくれない。
どれを買おうかな風を装って、何度もお兄さんの前を行ったり来たりするものの、一向に試食の声を上げてはくれないのだ。
あきらめます。
自分の負けです。
美味しそうな魚があれば、晩飯は焼き魚定食にしようと思っていたけど、それもあきらめます。
さあ、どこにテントを張ろうか。
目指したのは、標茶町虹別のキャンプ場。
一応念のために混み具合を聞いたら、大丈夫、テント張れますとのお返事。
じゃあってんで、車を走らせました。
ナビによると、4時ごろには到着しそう。
テントを張って買い出しに出よう。
で、着いてみたら、どこにテントが張れるんだよ。無茶言うなよ状態。
国設知床野営場に次ぐ混雑具合。
そうか、多くの人は今日から盆休みなんだ。うかつだった。
そこでのキャンプはあきらめ、だったら初日に泊まった弟子屈のキャンプ場が近いので、テントを返すがてら、そこで一泊しよう。
でも一応念のために混雑具合を聞いてみると、なんと❗️
もう車を止めるところもない混み具合だと。
天は我を見放すと言うのか。
そこがダメならもう行く場所がない。
仮にあったとしても、もう4時半を回ってる。
別のキャンプ場にたどり着く頃には、もう真っ暗。まして、雨まで降ってきた。
決断が迫られた。
どうしよう。
どこかのホテルにしようか。
いや、それは出費が大きすぎる。
どうする?
分かった。
もうこのまま札幌に帰ろう。
日が変わる頃には着けるだろう。
キャンプ場探しがこんなに大変だったのは初めて。
ただ、帰り道は弟子屈を通るので、借りていたテントは寄って返して行こう。
弟子屈のまちは、自分にとっては迷路のまち。
やっとの思いでキャンプ場にたどり着くと、なんと、なんぼでもテントが張れるじゃないか。駐車場もまだまだ空いてるし。
受け付けのおばちゃん、話が違うよと思ったものの、もう暗闇が迫っているし、雨も降ったりやんだり。
さらに気持ちは夜中になっても帰ると決めてしまってる。
とてもこれからテントを張って買い出しに行く気になれず、丁重にテントを借りたお礼を言って引き上げることにしました。
その時点で外は真っ暗。
札幌に向かい始めてまもなく激しい雨も。
やっぱり今日は帰るで正解だ。
闇の中、車のスピードを制限速度プラス10キロに抑え、ひた走りました。
うちに着いたのは、午後10時半。
意外と早く着いたものの、札幌市内に入ってからは睡魔との戦い。
うちに着けばビールが飲める。
それまでは頑張るんだ!
これだけが心の支えでした。
今回の道東ツアーは、プチトラブルの連続でした。
驚いたのは、キャンプ場の混み具合です。
考えようによっては、そこに集中してくれたおかげで、周りのキャンプ場が空いてたのかもしれません。
しかし、みんな、よくそんなに混んでる中で、テント泊する気になるものだ。
驚いた。