確か当時、書店の入り口付近に初版が平積みにされて売られていた。
聞いたこともない作者だったけど、「青年は、微睡むうち鳥と男たちについての六つの夢を見る」という帯書きに惹かれて、すぐに本を手にレジに行ったのを覚えている。
まるで「夢十夜」ではないか。
本人は河原の隅でまどろんでいるだけなのに、心(物語)は何処にでも行くことができるなんて素晴らしいではないか。
河原で出会った老人と2人で、腰掛けた岩の上で語らう。その語らいだけでストーリーを作っていく。
たった一通の恋文。その一通の中に恋物語が面々と綴られて行く。
シチュエーションを変えずに、物語を展開させていく。
当時、そんな小説が読みたいと思っていたのだ。
ところでこのダック・コール。
今となってはどんな内容だったかさっぱり思い出せない。完全に忘れてしまった。
どこぞの猟師のブログに、この本を読んだら密猟したくなったと書いてあったので気をつけないと。