ある動画が私の興味をひいた。
【レベルMAXゴミ屋敷清掃】姉が突然亡くなり…遺された荷物の山。3DKのお家の荷物を回収しました!
動画を観るとわかるが、玄関からゴミで埋まり扉が開けられない状態なのがわかる。家主が孤独死され、家族から通報を受けた警察が窓ガラスを割って部屋に入ったという。
この部屋に50代の家主は20年ほど前から住んでいたらしい。10年ほど前に家族が入ったときは一部屋くらい散らかっている部屋がある程度で、これほどまでひどい状態ではなかったという。
ところどころで画像に映る棚類や冷蔵庫の中を見ると、もともとは普通に整理整頓や家事一般ができる方だったと思われる。
この10年で家主に何があったのだろう。
途中、し尿で積みあがった新聞紙のほかに、薬局で購入したと思われる空になった薬の瓶が大量に出てくるが、疲労回復薬などが目立っていて、身体が相当にしんどかったものと思われる。
実はである。
バセドウ病と診断され薬を飲むまでの約半年、あまりのだるさから家事がままならなくなり、床におちたものを拾う気力すら出ないというありさまだった。疲れすぎて料理をする気力もわかないので、ファストフードや出来合いの総菜を買ってきては凌ぐ毎日が続く。そういった類のゴミがあふれ、疲れすぎてゴミの集積日にもっていくことができなかったゴミ袋がたまっていく。暑い盛りだったため、ペットボトルの飲料を大量に飲んでいたことから、空のペットボトルが増えていく・・・こうして、家の中がゴミ屋敷状態になるのを止められなかった。
それでも仕事はしていたので、たまっていく疲れをなんとかしたくて、健康ドリンクや疲労回復の錠剤をのんで体調を立て直そうとしていた。
例え家の中が散らかったとしても、ある程度になると片付けたくなる性分。本来の私ならば、こんな状態になるまでには絶対に至らない。
溜まっていくゴミを前に何とかしたいと思いつつも思うように身体が動かない自分が哀しかった。家の中を動くにもゴミを避けて動くため、動画の清掃員のように足場を確保しながら、もしくはゴミを踏んで動かなければならない状態で却って疲れるという悪循環。とにかく何とかしたくてたまらない。
だから、投薬で筋力や気力が回復してきて、先ずやったことは家の大掃除だった。その時、際限なく大量にでてくるペットボトルや紙類、溜まったゴミ袋に自分でも驚いたくらいだ。たった半年間でこれである。動画の家主は、それを何年も続けた結果がこれだったと思われる。
最終的には、残念ながら50代という若さで心筋梗塞により孤独死という結果になったわけだが、目の前で溜まっていくゴミの山を前に彼女は何を思っていただろう。何とかしたくても出来ない状態を独りかかえ、どれだけ孤独で辛かったことであろう・・・と、この動画を観て思った。
これはあくまで私見だが、この家主もまた、私と同じような病を発症していたのではないだろうかと推測する。年齢的にも特に女性で発症しやすい病と聞く。極度の疲れから、全身の衰弱に至る流れを経験してみて、可能性はあったのではないかと思っている。もし、そうならば病院を受診して処方された薬を飲んでいたら、何かが変わっていたのかもしれない。ここまで酷くゴミ屋敷を錬成することもなく、彼女自身の運命も違う流れがあったのかもしれない。
ゴミ屋敷に至ってしまうのは、本人自身に何らかのキッカケになることや心理的な要因があると思っている。その中に、病からどうにもならなくなった・・・という事例も少なからずあると今回の経験から思った。
ゴミ屋敷に対して、世間一般の目は冷たい。
動画のコメントを拝見しても、そんなご意見が多かった。
正論から言えば、そう意見したくなる気持ちもわかる。ただ、正論は時に人を傷つける。そうなってしまった背景を理解し、受け止める気持ちを持ってあげられると良いなと私は思うのだ。今は元気で片付けができている人であっても、病で出来なくなる可能性がないとは言えない。そうなってしまった時、正論で責められ続けたら自分はどう思うだろうか?ということを考えて意見する。相手の立場にたって言葉を選ぶことは大切だと思うが如何だろうか?
ただし、ゴミ屋敷というのは周りに多大な迷惑をかけるものでもある。自分自身がどうにもならなくなり、手に負えなくなってきたのなら、周りにSOSを出して頼ることも必要だと私は思う。自分で何とかしようと思っても無理ならば、そうするしかないのだ。
家族、友人、知人、近所の人、誰でもいいから助けを要請する。
また、病院受診や専門機関、役場に相談など、方法は色々あると思う。とにかく、自らが一歩踏み出さないと何も始まらない。
こんなことを、動画と自分自身の経験から思った次第である。