The Swift Watch
ポートランドならではの9月の過ごし方があります。どれほどの人が知っているかわかりませんが、地元では結構有名な現象だそうです。
Swiftという渡り鳥(migrating birds)がいます。ごめんなさい、辞書で調べたら「アマツバメ」と出てきたのですが、鳥に詳しくないので、アマツバメといっても、日本のどの鳥に当たるのかわかりません。Swiftはハチドリの仲間で実に小さい鳥なのですが、寒い冬に備えて中米に渡っていく途中でポートランドでしっかり栄養と休息をとって南への旅に出ます。昼間は虫をとって、食べ続け、夜は立ち枯れた木が筒状になっているところの内側に入って爪をひっかけて寝るそうです。この小さな鳥の爪は木に止まれるような構造になっておらず、爪でひっかけて壁面にシッポをあてて体を支えるしかないそうです。昔は森林がたくさんあったので、そんな木を見つけることは簡単だったのですが、近年森林は少なくなり、1980年代にこのSwiftはある小学校の大きな煙突をねぐらにし始めました。2,3日ずつ別のswiftのグループが来ては発っていきます。1日でもおびただしい数の群れなのに、それが1カ月も続くということは、一体どれほどのswiftがいるんでしょうね?
胸を打たれたのはこの小学校の生徒と先生の心意気です。Swiftが煙突をねぐらにし始めたのを知って、自分たちはとにかく着込んで暖房を我慢してswiftにねぐらを提供したのです。最後のグループが発っていくのはだいたい10月中旬ですから、この地域の朝はとっても冷えます。しばらくそんな風に毎年寒い秋を過ごしていましたが、噂が噂を呼んで、ある団体が募金を募って、この小学校に新しい暖房設備をプレゼントしました。こうしてその煙突はswiftのためだけに残すことになりました。さらに地震で煙突が壊れないように丈夫なワイヤーで支えて、いつまでもswiftが安心して使えるようにしました。
このswiftが素晴らしいショー(本人たちはショーとは思っていませんが)を見せてくれます。夕方6時くらいになると、どこからともなく集まって来て、煙突の上空で旋回を始めます。小さいので虫の大群の様にも見えます。煙突にはswiftを夕食にしようとhawk(鷹)が止まっていたりします。実際、今回のショーの最中にも2,3羽のswiftが餌食になり、私もswiftの体をくちばしで引きちぎって勝ち誇ったように食事をしているhawkを双眼鏡で見てしまいました。Unluckyだった2,3羽のswiftのおかげで、他の仲間たちはそのhawkが食事に集中しているうちに隊列を組んだ旋回に入ります。そして、まるで掃除機に吸い込まれるように煙突の中に次々と入っていきます。最後の1羽が入るまで目は釘づけです。
だいたい1-2時間のことなのですが、人々がこの小学校に集まって来て、それぞれピクニックを始めます。私たちもサンドイッチ、梨、チキン、クッキー、クラッカー、アップルサイダーをblanketの上に広げて、swift watch picnicしました。ボランティアガイドの方が巡回して、swiftの生態を説明してくれたり、私たちの質問に答えてくれたりしてくれました。ピクニックバースデーパーティーをやっているグループもあって、バースデーソングや拍手が聞こえてきて、夕暮れの寒い中、何とも明るく温かいムードでした。優しい気持ちになれるひとときでした。