暴落状態のガソリン末端市場はSS業界を崩壊させる | 【未来予測・世界情勢・政治・経済・金融・有事・戦争・災害・スポーツ・芸能・サイエンス等の時事情報ブログ】 http://ameblo.jp/e269/

【未来予測・世界情勢・政治・経済・金融・有事・戦争・災害・スポーツ・芸能・サイエンス等の時事情報ブログ】 http://ameblo.jp/e269/

未来の予測や時事などをブログで発信。未来予測・世界情勢・政治・経済・金融・有事・戦争・災害・スポーツ・芸能・サイエンスから身近な問題やアーカイブス(archives)まで幅広く取り上げます。

暴落状態のガソリン末端市場はSS業界を崩壊させる

2008年12月 2日(火) 11時18分


年末から来年3月にかけ廃業するSS業者は急増する見通し

 WTI原油先物相場が一時48ドル台まで下げた。原油のあるべき価格は70ドルという自説は、代替燃料であるオイルサンドなどの開発コスト50ドルと仮定し、20ドルの開発者利益を乗せたものだ。これは長期的な上限価格の抑制要因を意味しているので、50ドルを下回らないということではない。しかし50ドル以下では、産油国経済も相当な打撃を受けるだろう。今年2月に訪問したドバイも世界的な金融収縮と少ない輸出量とはいえ、ドバイ原油の暴落とのダブルパンチで、相当深刻なのではないだろうか。サウジでさえ、原油の恩恵に預かれない多くの一般国民の不満を抑えるには、それなりの石油収入の投入が必要で、原油価格の下げすぎは、そのまま政情不安にもつながりかねず、それは世界経済的に見て決して好ましいことではないだろう。

 しかしこの50ドル割れは、147ドルというバブル分が余りにも大きかったので、振り子の反動ごとく下がり過ぎただけで、短期に正常値へ戻ってくるのではないだろうか。実際、翌日には高値55ドルまで戻しているので、自説の50-70ドルが適正価格は、まだ変更しなくてよいと思っている。しかしたった2日で48-55ドルという10%以上のブレは、我々現業者にとっては迷惑以外の何物でもない。

 心配なのは、国内ガソリン市況だ。石油情報センター発表の毎週調査によると、8月4日の185.1円をピークに8月25日の181.7円、9月1日の176.2円、9月29日の170.2円、10月6日の164.7円、10月27日の151.3円、11月4日の141.0円、11月17日の132円。そして直近の11月25日価格は128円まで下がった。その累計の下落幅は57円。しかし8月の原油輸入CIF価格は、91.9円。11月に到着予定の推定CIF価格は、末日到着予定の安い分を含めても当社推定で約49円。従って原油下落幅は43円なので、ガソリン市況は14円も、下げすぎなのだ。更に石油情報センター価格は、実態より若干高めに出る傾向がある。関東で最安値と言われているジョイフルホンダの価格は、10月28日が129円。11月1日が123円、11月6日が119円。11月14日が117円、そして11月17日が115円。11月21日からは113円まで下げている。この価格は地域最安値で、周辺市況は120-125円だが、それでも前述の石油情報センター価格より、10円は安い状態である。

 このような市況暴落原因は、新日石や出光が10月から始めた新仕切体系のように言われることがあるが、私は違うと思う。実は、船ベースの大ロットで取引される業者間転売品の現物価格が暴落しているのである。TOCOMの先物価格のレベルまでは下がっていないものの、現物への転換がごくわずかの先物とは違って、大量の現物数量を伴う実取引の海上業転価格の急落が冷静に考えれば主要因と言える。

 その原因を一言で言えば、前年比90%程度まで落ち込んだ需要に対し、生産調整がうまくいかず、需給バランスが崩壊したこと。いくら「原油が下がり局面」だとしても、日本に日々到着している原油CIF価格より、海上現物ガソリン価格が安いのは、「時価会計時代」と言われれば、それまでだが、元売の経営も成り立たない異常事態と言わざるを得ない。元売のためにも、また誰も儲からないボランティア状態のガソリン末端市場のためにも、元売には1日も早く需給バランスを正常化させてほしい。ちなみに末端のSS業者は、現在125円の売価で例えば1カ月前の145円の月時の仕入価格(例えば135円)を支払っており、その資金繰りは急速に悪化。誠に深刻な状態となっている。年末年始を乗り切れない、あるいは来年3月末をもって廃業するSS業者は、残念ながら急増するのではないだろうか。(