あちらにいる鬼 | 無料で見たドラマや映画

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あちらにいる鬼 (2022)

 

 

原作未読

原作者が白木のモデル井上光晴氏の娘さんだとか

そして当事者の瀬戸内さんにも取材を依頼し

出来上がった作品もお墨付き

映画化も楽しみにしておられたとか…

物語と同様に破天荒な経緯がある作品です

 

私は瀬戸内さん、けっこう好きです

一度寂庵とか行ってみたいなとか思っていたし

著書も何冊か読みました

源氏物語に関するものだとかも

随分と前ですが瀬戸内さんの展示があったとき

行ってみたのですね(まだご存命で元気でいらっしゃったころ)

その時の記録が私のブログに残っていて

そこに書かれていた瀬戸内さんの言葉なんですが

読み返してなんか納得

 

 

「愛された経験よりも、

 愛した経験のほうが楽しいし、

 豊かになります。」

(寂聴愛のおみくじより)  

                 

 

あぁ、なるほどね

愛されるのを待つより、自分から愛を与えた方が

幸せになれるのかなと

だから、この先どうなるのかわからない白木を思うより

今の好きで愛して幸せでいる、その思いのまま

関係を終わらせたかったのだろうなと

 

死ぬのは怖い、別れるのはつらい

だから恋が出来ない生き物になればいい

女をやめればいいのだ

みはるは出家を選びます

 

あの、出家前、髪を白木に洗ってもらうシーン

あれが一番切なかった

髪は女の命とは良く言ったものですが

剃髪のシーンより印象に残っています

 

みはるの生き方も衝撃ですが

本作、さらにすごいのが白木の嫁笙子

穏やかにじっと白木を待つ女を演じていますが

これが一番怖いヤツです(笑)

 

鬼は笙子なのかなと思わせられますが

まぁ、笙子の心の中にはあまたの鬼が住み着いていたことでしょう

 

白木への思いははっきりとは語られなかったですが

臆することなく若い愛人に会いに行ったり

みはるに会ったり

幾度となく繰り返される浮気を見守ったり

すべては白木への愛だったのか?意地だったのか?

その淡々とした様子を広末涼子が見事に演じていました

 

白木の死でみはるの女はやっと完結し

笙子の荷物は降ろされた

最期を見届けた二人にそう感じました

 

最後はキューっとなって

なぜだか清々しかった

みはるの涙のように

 

キャスト

寺島しのぶ、豊悦コンビは言うまでもなく

今作では広末涼子が特によかったかな

 

こういうの嫌いじゃないですよ

星は★★★★☆

満点あげたいけど、4.8くらい

なんとなくね、出来過ぎているかなってことでw