簿記における問題の解き方の基本 | 社会人の簿記・会計系資格取得のためのブログ

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自ら苦労した公認会計士試験等の勉強で、合格を果たし、その後の実務経験により得た知識と経験、そして、大手専門学校での15年以上に及ぶ講師経験も併せて、このブログにおいて「働きながらスキルアップ」を目指す社会人受験生向けに情報を配信していきたいと思います。

こんにちは。

 

ようやく春めいてきましたね。

皆様いかがお過ごしでしょうか?

 

 

さて、先日、日商簿記検定試験が

行われましたね。

 

なんでも、2級検定試験がかなり

難しかったようです。

 

わたくしも、3年ほど前に商工会議所

主催の検定試験出題範囲大改訂に関する

説明会に参加したのですが

 

日商簿記はどこの方向に進むだろう?

と疑問に感じました。

 

とにかく、これからクラウド会計、

RPA、そしてAIなどの登場で、

実務的、難化の方向に向かっている

みたいですね。

 

このような時代においては、

コンピューターが行う複雑な処理や計算

に人間はかなりませんので、それよりも

コンピューターが根本的に何をしているのか、

その「原理の理解」が必要だと思います。

 

例えば、企業会計であれば「簿記原理」

や「帳簿組織」ですよね。

 

そのうえで、

 

コンピューターが出してきた決算書の数字や

分析データ、判断などにはAIの解釈問題が

つきまとい、かつ、その結果を受けて

意思決定を下し、指示を出し、他者に

説明できるのは人間の役割なので、

 

コミュニケーション能力は

今後もさらに必要な能力となるかと

思っています。

 


とにかく、簿記検定試験においては

まだまだ難易度の波があるようですね。

 


さて、今回の記事では、

受験テクニックとしての「解法」について

書きたいと思います。

 


まず、解き方についての鉄則があります。

 

それは、

 


解きやすいところから解く

 


です。

 

これは鬼の鉄則として、絶対に守って

ください。

 

 

 

 

また、総合問題では税理士簿記論に

代表されるように、資料や文章量が

半端なく多いものが存在します。

 

そのような問題の場合、資料の番号

(つまり論点ごと)に線で区切って

ください。

 

そうすると、あら不思議。

 

線で区切ったところが、ただの個別

問題集となります。

 

 

で、基本的な解き方ですが、

 

簿記は「仕訳力」「集計力」

あれば解けるので、

 

 

「仕訳力」の部分では

・計算用紙に仕訳を書く

・頭の中で仕訳を切る

 

「集計力」の部分では

・T勘定を書いて集計する

・前TBの余白にメモ書きする

・書いた仕訳から集計する

 

などの方法があります。

 

例えば、売買目的有価証券の

時価評価の仕訳であれば、

一行で済むので、仕訳をわざわざ

書く必要はありませんね。

 

なので、上記における

 

・頭の中で仕訳を切る

 

という方法により、

 

有価証券10/評価益10

 

みたいな感じで頭の中で

きっちゃいます。

 

その上で、今度は金額の集計です。

 

金額の動きが1箇所程度であれば

わざわざT勘定を書くまでもない

ので、

 

例えば、前TBの余白に

 

前T/B

有価証券100 +10

 

評価益10

 

という感じでメモ書きして集計する

という方法が挙げられます。

 

どの論点では、どのような組み合わせ

による解き方がいいのか、ぜひ、

自分自身にあったやり方を研究する

ようにしましょう。

 


通常、処理が必要な箇所が多い問題(商品売買+債権債務処理タイプなど)は、仕訳も多く、その分、

集計する箇所も多くなるため、T勘定を書いて

集計することになります。 

 


また、解法における図解ですが、

代表的なものとして、

 

・タイムテーブル

 

が挙げられます。

 

上記はさらに

・期間配分系

・CF系

・連結の資本推移

 

があり、それぞれ下記のような

ものになります。

 

 

 

 

キャッシュフロー系の図解は、

・減損会計

・リース会計

・資産除去債務

・退職給付会計


などの問題の時に書きます。


また、期間配分系は、

・見越し繰延べ

・ソフトウエア償却 

・為替予約振当処理

・ストックオプション

・償却原価法


などの問題のときに書きます。


ただ、必ずも絶対に書かないと

解けないということではなく、これも

やはり、書く人と書かない人がいます。


基本的に、何度も練習して慣れてくれば

頭の中で図解を描いて解けるようになる

ので、そうなれば、書く時間を短縮でき

ますよね。



ここでもやはり、自分なりにどの問題では

図解を書いて、どの問題では省略するかを

検証して、決めておくようにしておくと

良いでしょう。



あと、一点、絶対にやってはいけないことが

あります。



それは、


本番で初めてのことはやらない



です。



普段の練習で、図解を書かないのに

いきなり本番で書き出すとか、



その逆に、


練習でいつもは書いてるのに、本番では

時間がないと焦って書かないとか。



本番で初めてのことをすると大抵

失敗します。



ですので、普段の学習では、


解き方の研究と、自分に合った方法の検証

をするとともに、


やり方を決めたら、その方法で何度も

練習しておくことが大事だと思います。


ぜひ、参考にしてみてください。