冬でも水遊びをする
クライアント
実習先に水が好きなクライアントがいる。
とてもアクティブで住宅地でプールを見かけると塀を上り、
プールに飛び込んだことがあるほどである。
ある日、アクティブなクライアントを連れて公園に行った。
公園にはトイレ以外にも水道や水飲み場があるが
サポートワーカーが
「クライアントが水を触りに行ったり、
靴を水で濡らしても驚かないでね。」
と私に言った。
クライアントはルーティンがあるのか、順番に遊具などで
遊びながら私とサポートワーカーの前を行っていた。
水飲み場で水を口にした後、
水道を回してジョボジョボと流れる水の下に足をサッと伸ばし、
靴ごと水で濡らしたのだ。
ヒィ!寒っ!!
サポートワーカーから聞いてはいたが
オーストラリアは冬で水遊びの季節ではない。
「寒いし、冷たいけどクライアントがこうしたいのなら
する権利があるのよ。
Dignity of Risk(リスクを負う尊厳)だから。」
リスクを負う尊厳
危ないから止めようと言うのは、権利を阻害するから
リスクを負っても主体的に生活できる権利がある。
個人の選択肢と意思決定を与え、リスクに対する責任と
周囲に危害がないのならリスクを負っても良い。
確かにクライアントが水で靴を濡らすのは私には危害がないけど
寒いと思ってしまうのよねぇ。
その日、クライアントは濡れたままの靴で1日を終えた。
冷えないだろうか?なんて心配をしてしまい、
オカンモードが出て、私は居心地が悪かったのだった。