否定しない
関わり
先日職場でクライアントのSIB
Self-Injurious Behavior:自傷行為を発端に
対応していたスタッフが顔を引っ掻かれて
怪我をしてしまうという出来事があった。
顔や頭など身体の上部を狙われる攻撃は
いくら現場に慣れていても
本当に恐ろしいものだ。
今回はこうしたハイリスクな場面で
私たちが徹底している
PBS(ポジティブ行動サポート)の
具体的な声かけとワーカー自身を守るための
チームやスキルの考え方について
書いてみたいと思う。
「ダメ!」「やめて!」が逆効果になる理由
自傷行為やパニックを見かけると
咄嗟に「No!」や「Stop!(やめて!)」と
叫んで止めに入りたくなる。
しかし、行動アプローチの観点から見ると
これは逆効果になるケースが非常に多い。
否定形や強い制止の言葉は
強い刺激(トリガー)となり、
相手の不安やパニックを
さらに増幅させて攻撃性を高めてしまう
リスクがある。
PBSにおける声かけの基本
PBSの現場では否定語を使わずに
「事実」や「こちらの感情」を
冷静に伝えるアプローチをとる。
避けるべき声かけ:
「ダメ!」「やめなさい!」「Stop!」
推奨される声かけ例:
"You are going to hurt yourself."
(自分で自分を傷つけてしまうよ=事実の伝達)
"I feel sad if you are injured."
(あなたが怪我をすると私は悲しいよ
=メッセージでの感情伝達)
本人の行動の背景
(なぜその行動に至っているのか)を
理解し相手の感情を刺激せずに
「いま何が起きているか」を
客観的に認識してもらうプロセスが
パニックを鎮める第一歩になるのだ。
