IPランドスケープに参考になる書籍(2020年2月時点) | e-Patent Blog | 知財情報コンサルタント・野崎篤志のブログ

e-Patent Blog | 知財情報コンサルタント・野崎篤志のブログ

株式会社イーパテント|e-Patentは"知財情報を組織の力に"をモットーに、知財情報をベースとした分析・コンサルティングおよび人材育成・研修サービスを提供するブティックファームです

ちょうど1年ほど前に「IPランドスケープに関する書籍」という投稿をしました。IPランドスケープというキーワードそのものが入った書籍としては、

 

 

になりますが、第2部の事例は従来の特許分析に寄っているので、特許情報分析と特許以外の企業・マーケット情報分析の融合・組合せなどについていまいち理解できない方も多いのではないかと思います。

 

ここではIPランドスケープに関する書籍ではなく、IPランドスケープに参考になる書籍を紹介したいと思います。

 

先日のツイッターで、以下のようなツイートをしました。

 

 

IPランドスケープというとどうしても、IP=知的財産寄りになってしまうので、私は海外で従来から使われていた”インテリジェンス”というキーワードに着目しています。そのため、以下の参考書籍もインテリジェンス関連を多く取り上げています。

 

 

分析・インテリジェンスの重要性

ここで取り上げる2冊は分析・インテリジェンスの具体的な生成方法=情報収集・分析方法というよりは、情報収集・分析およびインテリジェンスが組織にとって重要であるということを理解するための書籍。

 

 

情報収集・分析を軽視するとどうなるのか、を理解するのは戦争という生きるか死ぬかの局面で理解するのが一番早いと思います。情報分析に従事するのであれば必読の1冊。著者は太平洋戦争時の情報参謀で、限られた少ない情報から米国の動き・作戦を高い精度で予測していました。しかし重要なのは、1名の情報分析担当者が優秀か否かではなく、その生成されたインテリジェンスを組織として生かせるか否かです。

 

 

元大阪ガスで現在滋賀大学教授の河本氏の著書。会社・組織の意思決定なり何らかの目的があってこその分析という視点を常に持っておくことが重要。

 

ビジネスインテリジェンス(BI=Business Intelligence)、コンペティティブ・インテリジェンス(CI=Competitive Intelligence)

以下は特許情報収集・分析を詳しく解説したものではない。「競争優位の情報戦略」には多少特許情報について触れられているが、とりあえずインテリジェンスとは何か?を知るための2冊。

 

 

北岡氏にはインテリジェンス関連の書籍が多数あるが、この新書が一番とっつきやすい入門書。

 

 

このブログでも以前に紹介したことがある「競争優位の情報戦略」は20年以上前に発行された書籍だが、合法的・準合法的な情報収集活動に基づいて競合他社動向を分析するのか、様々な事例を示しながら説明している非常に優れた書籍。残念ながら絶版となっており、中古本でも結構な高額なので図書館で借りて読むことをおススメします。

 

分析全般の考え方やフレームワーク

考え方や概念だけ示されても・・・という方には以下の書籍。分析全般の考え方・頭の使い方、そして分析する際に役立つフレームワークを提示しています。

 

 

「分析スキルを伸ばしたいのですがどういう本が参考になりますか?」と質問された際に紹介する1冊。新書でコンパクトながら分析に関して一通りまとまっている良書。

 

 

 

情報分析する際の考え方・頭の働かせ方について参考になる書籍。上田氏は元防衛庁情報分析官であり、上記以外にも著書がある。上記2つはビジネスパーソン向け。

 

 

分析方法のカタログと言えば良いだろうか、主な分析方法・テクニックについて取り上げており、各方法の特徴・メリットや利用に際しての留意点などを解説している。私は、通読するというよりも何か困った際に調べるための辞書的に利用している。

 

企業情報やビジネス情報などの特許以外の情報収集

特許情報分析に従事している方は、特許情報収集・分析には長けているが、特許以外の情報収集をどうしたら良いのか分からないという方が結構いる。そんな際におススメしている書籍(拙著も入っていますが)

 

 

まず拙著の紹介で恐縮です。Googleでは十分な情報収集はできないのではないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、Googleでも十分ビジネス情報・企業情報収集は可能です。もちろん有料のデータベースに比べると、使いやすさ、付加機能、コンテンツのS/N比など違いはあります。しかし、Google検索結果の1ページぐらいしか見ないで、Googleは使えないと思っているのであれば、ぜひ拙著を読んで見直していただければと思います。

 

 

 

 

なかなか企業情報・マーケット情報収集に関する良い書籍はないのですが、いつもおススメしているのは上記2冊。

 

 

 

これ以外にも参考になる書籍は多数ありますが、また別に機会に紹介したいと思います。