猫の後ろ姿 2152 『声に出して笑える日本語』
わたくし、我が家に帰りつき、玄関を開けますと、まず大きな声で叫びます。
「たーいま」
これに我が相方・初美さんがこうこたえてくれます。
「コカインなさい」
大麻とコカインをネタにした単なるダジャレでありますが、これが口に出して言ってみると絶妙に面白い。 このダジャレ、落語家・立川談四楼さんの『声に出して笑える日本語』で読んで、日々実践しております。
先日の「天声人語」欄でこの本のことを知り、さっそく読んでみました。第2弾『もっと声に出して笑える日本語』、第3弾『もっとハゲしく声に出して笑える日本語』も一挙に読みました。
この人は日々耳を鍛えておりますから、日常の会話の中の言い間違いや誤用の類を、しっかりと聞き留めます。たとえばこんな、
「ニュートンが発見した引力は、正確には何と言う?」
某タレントの答え
「吸引力」
いやあ、こんな例を挙げ始めたら、きりがない。自分で読んで笑ってください。大きな声で笑っているうちに、この世に生きていることに懸命な名もなき庶民の姿が胸にあふれてきます。
私が胸に刻んだ言葉はこれです。
「迷ったら前へ出ろ、困ったら笑え」
こんど何かに迷ったら、こうします。
猫の後ろ姿 2151 榎並和春 京都個展
榎並和春さんの京都での個展がもうすぐ始まります。
ゆっくり榎並さんの絵と話してください。
榎並さんの挨拶文を写しておきます。
「いつものように」
いままでかつてない大きな災いが世界中を駆け巡った。都市が封鎖され、市民は黙って閉じこもるしか方法がなかった。町はゴーストタウンのようにさびれてしまった。
しかし、悪いことばかりではない。世界を一つのように駆け巡り、経済優先で少しでも安く、少しでも多く、より速くとフル回転してきた価値観にほんの少し疑問をなげかけた。こうやっても生きて行けると思った人も多かったのではないか。
何気ないいつもの日々がどれだけ大切であったか、身近な人々との会話やお気に入りの物に囲まれた生活がどれだけこころの支えになるか、慰めてくれるかを教えてくれた。そんな何気ない日々からのメッセージ。
御来廊こころよりお待ちしております。