猫の後ろ姿 2313 一人で行くなら
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大学の時の友人の奥さんが亡くなられたことを知った。
ついこのあいだは、妹の旦那さんが亡くなった。
訃報に接するのが、心にこたえるようになった。
失ったものの意味がやっとわかるようになった。
今頃になってやっと。
折坂悠太の歌「スペル」を聞いて、言わんとするところがはっきりつかめなかったのだけれど、これは「別れ」を歌っていたんだなとやっとわかった。今頃になってやっと。
折坂悠太 スペル
静かに 静かに
忍び来る夜に
上がり框の上で
ワインを注ごう
ねえ 明かりは消さないでいいよ
ここにあるもの 教えてほしい
瞳の奥にふり注ぐ
手懐けられぬ風景が
私を私たらしめる
思いがけぬつよさで
いとし横つら
魂 ディダバディ
一人で行くなら
心配だからね
最寄りの駅までは
見届けさせてね
生活の痕跡が踊る
水臭いぜ ねえ、覚えているよ
小指をきつく締めつける
かけがえのない後悔が
私をここへ通れ戻す
忘れがたいつよさで
瞳の奥に降り注ぐ
片付けられぬ風景が
時折 笑いかけている
苦しいほど
甘く苦く
思いがけぬつよさで
いとし横つら
魂 ディダバディ




