【紹介】
長渕剛さんのアルバム「風は南から」を紹介します。
本作は長渕さんのデビューアルバムで,1979年にリリースされました。
まだ若かりし長渕さんのデビュー盤ならではのみずみずしさと,フォークを軸にしながらも多彩な音楽性が楽しめる1枚です。
【収録曲】
1. 俺らの家まで
2. 僕の猫
3. いつものより道もどり道
4. 訣別
5. カントリー・ワルツ
6. 待ち合わせの交差点
7. 不快指数100%ノ部屋
8. 今宵最後のブルース
9. 君は雨の日に
10. 巡恋歌
11. 長いのぼり坂
【曲紹介】 ※曲名後のアルファベットは,個人的な5段階評価です。
1.俺らの家まで C
アルバムと同時リリースされた2ndシングル。
自身の女癖の悪さを冗談めかして軽快に歌っている。
ライブでは日替わりの弾き語り曲として今でも定期的に歌われる。
2.僕の猫 C
親しい女性を猫にたとえた軽快な曲。
アルバムでもほぼギター1本の音源となっている。
長渕さんの真骨頂ともいえるスリーフィンガー奏法が聴ける。
3.いつものより道もどり道 A
失恋を歌ったバラード。
女性視点で書かれた詩になっている。
歌詞に相まって,間奏に流れる口笛を模したシンセのフレーズがとても切ない。
ライブでも稀に演奏される。
4.訣別 B
こちらも失恋ソング。
ギター1本のマイナー調で寂しさが表現されている。
1フレーズだけの短めの曲。
サビの民謡風のメロディに乗せたファルセットが印象的。
5.カントリー・ワルツ A
タイトルどおり,カントリー調のワルツ。
アメリカの田舎町での一幕を描いたフィクション風の歌詞。
間奏のバンジョーがいい味を出している。
6.待ち合わせの交差点 C
長渕さんの姉のことを歌った曲だとされている。歌詞にもあるように,福岡は天神の交差点で待ち合わせをするときの光景が描かれている。
ジャグ調で音数が多い曲。
2番の歌詞に女性ボーカルのパートがある。この女性は石野真子さんだとも言われているが,真相は不明。
7.不快指数100%ノ部屋 D
長渕さんの楽曲の中では最短の1分4秒。
日常の些細な心境をつれづれなるままに歌った曲。
裏打ちでクロックの音が打たれているのが歌詞とリンクしていて面白い。
8.今宵最後のブルース B
男女の馴れ初めを歌った曲。
歌詞は比喩を多用した文学調なものになっている。
後奏でのブルースギターが魅力的。
9.君は雨の日に A
失恋ソング。寂しさや未練よりも,したたかさや開き直りが強調された歌詞になっている。
イントロのピアノが雨を表現しているようで美しい。そのピアノを弾いているのは,ユーミンの夫・松任谷正隆さん。
10.巡恋歌 B
デビュー曲。失恋の悔しさを歌ったフォーク。
2000年代までのライブは,ギター弾き語りでほぼ毎回歌われていたが,近年では演奏頻度が下がっている。
1992年にロック調にアレンジしたニューテイクがリリースされて大ヒットした。
11.長いのぼり坂 A
自ら置かれた境遇を,力強い意志に変えて歌い上げたバラード。
2番の歌詞に人生を四季にたとえたフレーズが出てきて,数え唄風になっている。
曲の終わりと同時に,オーケストラによるインストゥルメンタルが流れる。
【レビュー】
初期の頃の長渕さんは,髪が長くて声がとても高いです。今とは真逆のスタイルですね。しかし,その真逆なスタイルの中にも,長渕さんの真髄といえる音楽性が表されているアルバムです。
冒頭でも書きましたように,楽曲はフォーク主体ですが,カントリー(#5),ジャグ(#6),ブルース(#8)など,さまざまなテイストの曲調が収録されているので,楽しく聴くことができます。
11曲の中に失恋ソングが4曲(#3・#4・#9・#10)も入っているのは,なかなか挑戦的だと思いました。
一方で,現在の長渕さんに多いライフソングは#11のみとなっています。
多彩なジャンルが織り交ぜられている中でも,このアルバムの最大の魅力は3大バラード(#3・#9・#11)だと思っています。この3曲のためだけでも,一聴の価値があります。
【最後に】
ファン歴33年の立場で,長渕剛さんのアルバムを紹介していきます。
今回は,初回ということで,ファーストアルバムについて書きました。
不定期にはなりますが,シリーズ化していく予定です。アルバム数が多いので,長期に渡ると思いますが,気長にお付き合いいただけたら嬉しいです。
長渕剛愛を語った記事もぜひご高覧ください。
