今月7日、大手広告代理店「電通」の新入社員だった高橋まつりさんの自殺が、過重労働によるものだったとして労災認定されました。
この事件は、昨年12月25日、都内に住んでいた電通の社員が自殺し、SNSで「死にたい」などのメッセージを残しており、心理的負担による精神障害で過労自殺に至ったのではないかとされた事から始まりました。
事実、本採用された10月以降から業務が大幅に増え、高橋さんの時間外労働はひと月に約105時間にも上っていたそうです。
高橋さんのSNS上には、部長から「君の残業時間の20時間は会社にとって無駄」「会議中に眠そうな顔をするのは管理が出来ていない」「髪ボサボサ、目が充血したまま出勤するな」「今の業務量で辛いのはキャパが無さすぎる」と罵詈雑言を受けた内容が綴られていました。
電通では、以前にも過労自殺による裁判が起こされており、この「労働」の問題について真摯に考えなければいけないのかもしれません。
この問題について、世間では、多くの議論がなされていますが、自殺した高橋さんに同情する声が大きいようです。
武蔵野大学の長谷川秀夫教授がSNS上に、「残業時間が100時間を超えたぐらい自殺するのは情けない」と投稿したところ、「無知で時代錯誤」と多くの批判を浴びました。
多くの会社で「働き方」について議論されていますが、最近は「根性論」というのは聞かなくなりましたよね。
とはいえ、いまだに「根性論」が浸透している企業も多く、「寝ない=えらい」「残業時間が長い=優秀」といった認識は残っているようですね。
105時間の残業というのは行き過ぎた例かもしれませんが、多くの企業で「残業は当たり前」という発想が根付いています。
昨年、大きく話題となった「残業代ゼロ法案」も大きな反発を受けましたよね。(今はどうなっているのでしょうか?)
残業をすることは、決してえらいことではありません。
それだけ、社員の仕事の効率が悪いのか、企業の人と仕事のバランスが取れていないかという事ですからね。
しかし、それがある種の「洗脳」によって、当たり前という感覚になってしまっていることは、日本の企業全体の問題なのかもしれませんね。
電通という超巨大企業が、この手の問題に着手し、変革していくことは非常に難しいことですが、一方で、とても意義のある事だと思います。
今後、このような被害者を出さないよう、そして、日本企業の社員満足度を上げ、生産性の底上げが実現するよう、このような変革を、大企業が進んで行うことが大切なのかもしれませんね。
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