【緊急投稿】リニア工事は中止一択! | ブロッギン敗北【ご愛読ありがとうございました】

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アウシュヴィッツが陸の上のジェノサイド、ヒロシマ・ナガサキが空からのジェノサイドだったとすれば、水俣病は海からのジェノサイドである。(栗原彬)
そして21世紀のいま、史上最悪のジェノサイドがパレスチナの地で、殺人国家イスラエルによって遂行されている…

 

 

 とうとう6月ごろから足元でリニア中央新幹線の本格的な工事が始まる。本格的な工事というのは,地下40メートルより深い「大深度地下」のトンネル工事のこと。この「大深度地下」の公共工事には用地買収や地元住民の同意は不要で,すでに首都圏では進んでいるが,中京圏では初めて。東京都町田市の工事現場付近では昨年,水や気泡が湧き出るトラブルが発生した。

 

 このブログでも何度か書いたが,うちの地元ではすでに数年前から地下トンネル工事が行われていて,上の日刊ゲンダイの記事によると,地元の農家では昨年3月ごろから田んぼの水が減り始め,ついに先日,干上がった。工事の影響が疑わしいという。昨年は岐阜県瑞浪市でも同様の水枯れが報告され,今年に入って岐阜県中津川市で地盤沈下も起こった。いずれもリニア工事現場付近での異変である。また,トンネルが通るルート上には「亜炭」の採掘跡(地下空洞)があり,そこを掘れば陥没の危険性もあると指摘されている。わが家のすぐ近くを通る工事であるだけに,今後周辺で何が起こるか分からず,まさにリニアはひと事ではない。多くの人にリニアの現実を知ってもらい,少しでも反対の声を上げてほしいと思い,急遽,本記事を書いている。

 

 自然や生態系を破壊し,間違いなく未来に禍根を残すこんな巨大事業は直ちに白紙に戻した方がいいと思う。即刻中止が賢明な選択だ。SDGs(持続可能な開発目標)がそんなに大切な目標だというなら,それに真っ向対立する持続不可能なリニアは真っ先に中止すべきだろう。ほとんどが地下のトンネルを通るリニア新幹線に誰が乗るというの?しかも高齢化や人口減少で,確実に移動需要が先細りしていくこれからの時代。100年経ってもペイしない巨大事業に巨額のマネーを投入する意味や目的が分からない。

 

 リニアは強力な電磁力を利用して,浮上しながら時速500㎞の超高速で走行するが,走行時には強い電磁波が発生する。その電磁波の人体への影響については何ら解明されていない。電磁波の被ばくでガンや白血病などの発生も指摘されている。車内は磁気シールドなどで防護するというが,沿線地域の住民への影響はどうなるのか。放射能と同様,何の科学的根拠もないままに,電磁波についても「安全神話」が語られている。

 

超電導磁気浮上技術は,比喩的に言えば,”調教がきわめて難しい技術”である。多くの電力を必要とする大掛かりな周辺設備を必要とする強い電磁波が発生する騒音が大きい直線しか進めない等々,原子力と同様,人間の至近で利用するにはかなりの困難と危険が伴うという性格を有している。従って,制御や扱いが難しく,実用化には巨額な費用が必要となり,普及は容易ではない。

(橋山禮治郎『リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」』集英社新書p.164)

 

 また,リニア新幹線には南海トラフ巨大地震が起こった際の東海道新幹線のバックアップを期待されているというが,何本もの活断層を横断するリニアがバックアップどころではないだろう。

 

最悪の場合には,何ケ所かの大深度地下トンネルや山岳トンネルに閉じ込められた乗客を何日も救出できず,山岳トンネル内の被害や坑口付近の山体崩壊などでトンネル内の列車を引き出せないといった事態になるだろう。リニアの救助・復旧が重大な問題になるが,超広域が第六章で述べるような大震災に見舞われていて,…在来型新幹線や在来線でも多数の被害が生じる。鉄道以外のインフラや都市・国土にも莫大な被害が出ていて,資金・労働力・機材・資材が不足するなかで,鉄道の復旧工事は在来型新幹線や在来ローカル線が優先されるだろう。したがってリニア新幹線の復旧は後回しになり,被害の程度よっては廃線もやむなしという判断を迫られるのではないだろうか。

(石橋克彦『リニア新幹線と南海トラフ巨大地震』集英社新書p.119~p.120)

 

 そして,在来型新幹線の数倍の電力を必要とするリニアの操業は原発新増設・再稼働が暗黙の前提となっている。原発を動かさなければリニアも走れない。具体的には,現在は稼働を停止している浜岡原発(静岡県)の再稼働が不可欠になるであろう。ところで,昨日は南海トラフ地震の新たな被害想定が発表されて,死者29.8万人というショッキングな数字が出た。だがリニア操業で浜岡原発が再稼働されれば,そんな想定は甘すぎて意味をなさないだろう。おそらく東日本~西日本は壊滅。最悪のケース,日本列島には人が住めなくなるシナリオも想定しておいた方がよいだろう。「誰一人取り残さない」というSDGsの理念の対極にあるのがリニア新幹線なのだ…

 

※リニアが推進するSDG

 (水源の破壊)

 (誰一人取り残さない被ばく)

 (原発ルネサンス)