小池都政を終わらせなければ,明日はない! | ブロッギン・エッセイ~自由への散策~

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アウシュヴィッツが陸の上のジェノサイド,ヒロシマ・ナガサキが空からのジェノサイドだったとすれば,水俣病は海からのジェノサイドである。(栗原彬編『証言 水俣病』)

 「コロナ禍のとき小池都政でなければ,もっと多くの人が救えたのに,こんなに苦しまなくても済んだのに,と思いました・・・」

 

——雨宮処凛さんが悔しさを滲ませながらこう語っていたのが,とても強く印象に残った。小池都政が何だったのか,上の動画で雨宮さんが話していることを聞けばわかる。是非観てほしい(24:00頃~)。困窮者支援の現場を見てきた人だからこそわかる,小池都政の実態が語り尽くされている。

 

 雨宮さんらの支援団体が東京都にさまざまな申し入れをしても何も実行しようとしてくれない,と雨宮さんは憤りを抑えながら訴える。特にコロナ禍の時期のことを雨宮さんは時系列に沿って仔細に話されていたが,生活困窮者の間にコロナ感染が広がる中で都に支援を要請しても,都が何も動こうとしなかった実態が明らかにされている。なかでも驚いたのは,水道料金滞納者に対して検針員が福祉につなぐ事業を,都が「効率化」を理由に廃止したことだ。コロナ禍による水道料金援助が打ち切られた頃には,水道を止められた人がホームレスになるケースが続出したという。そんな事態になることは想像できたはずだが,貧しい人たちの命よりも「事業効率化」を優先したわけである。小池都政の実態を示す一つの事例である。まさに血も涙もない鬼の所業,鬼畜行政であったことが窺い知れる。

 

 雨宮さんが強調していたのは,「小池都知事には困っている人に対するシンパシーが欠けている」という点である。派手なこと,目立つこと,注目されることには積極的だが,困窮者支援といった,地味だが大切な行政の仕事には関心を示さない。まさに「パラレルワールド」は,小池都政の核心を突くワードだろう。すなわち小池都政は,オリンピックやプロジェクションマッピングなど,煌びやかな世界を次々と演出する一方で,食べるものさえありつけず困窮化していく人々をますます生み出していく。二つの世界の落差があまりにも激しい。この落差に人々は惑わされ,自分と現実を見失っていく。
 

 もうこんな欺瞞に満ちた都政は終わりにしよう。考えてみれば,この国は東京や大阪などの大都市から底が抜けていった。首長選挙や地方自治に国政を持ち込むなという声もあるが,それは完全に間違っている。地方と国政はつながっているのだ。国は地方から壊れていくし,地方から再生することもある。特に東京は,正式な首都ではないが,あらゆる点で首都機能を持った大都市であり,財源は豊かで,国と匹敵する権限も持つ。東京のトップが変われば,この国も大きく変わる。現に石原都知事でこの国は大きく右傾化・劣化し,国内に差別と貧困が蔓延するとともに,近隣諸国との関係は悪化した。小池都知事はその流れに歯止めをかけるのではなく,むしろ加速させて,鬼畜さながらに環境と人間の破壊を押し進めたのである。そして,石原都知事でさえ送っていた関東大震災「朝鮮人虐殺被害者」への追悼文の送付を辞めて,歴史を捻じ曲げ,差別主義にお墨付きを与えた。そういう小池都知事は自民党と一蓮托生なのであり,そんなことも見抜けずに思考力を停止している橋下徹や眞鍋かをりには,もうウンザリだ。

 

 こういう東京都の破壊行政,棄民行政を直ちに変えることができるのはトップなのである。知事が変われば,すぐに神宮外苑の伐採は止められるし,水道料金滞納者を福祉につなぐ事業も再開できる。緑と人間を大切にする都知事が誕生すれば,東京も国も変えられる。

 

 都知事選立候補を表明した蓮舫がまず最初に視察したのが,都庁下で毎週土曜に行わている食料配布であった。前回記事でも書いたが,こうした現場に足を運び,現実を見る姿勢は素晴らしい。評価したい。上の動画にも蓮舫の演説の様子が一部収められているが(24:20~),これを観ただけでも,蓮舫が都知事として何をしたいのか,何を変えたいのか,何を終わらせなければならないのかが伝わってくる。そして,何より自分の言葉を持っているのが良い。自分の言葉で語っているから聴衆の胸に届く。

 

 演説で蓮舫は,食料配布に750人を超える人が列をなし,その中に女性や若者が多いことにショックを受けたと正直に語っていた。このスピーチに私は胸を打った。これを聞いて,現都知事とは比較にならないくらいまともな政治家だと確信を持った。彼女が都知事になれば,たぶん関東大震災「朝鮮人被害者」への追悼文も再開してくれるだろう。これまでの悪しき歴史修正主義,差別主義,鬼畜行政はもう終わりにしよう。

 

 引き金を引け!言葉で明日は変えられる…