




「おそれて前に進まなければ、橋を渡った先の景色を見ることができません」
(勅使河原茜著書『いけばな-出会いと心をかたちにする』(角川oneテーマ21)より。
いけばなの流派のひとつ、草月流を第四代家元として率いる著者は、生け花には「自分で考え、決断していくという力」が大切だと語ります。うっかり鋏を入れたばかりに、これまで時間をかけてつくりあげてきたものが台無しになってしまうことも少なくありません。しかし、勇気を出して切らなければ「思いがけないほど素敵になる瞬間」は永久にやってこないと言います。また、「橋を渡った先の景色」が痛恨のミスと感じるものだったとしても、胸が痛む体験は確かな経験値になるとも。
「真実はひとつだけではありません。だから、まずすべてを受け止めます」
【おとなのマガジン】
花を活けるのではない、人を活けるのだとおっしゃった草月流創設者・勅使河原蒼風さんのDNAを感じさせる作品と文章です。
※勅使河原茜
1960(昭和35)年、東京都生まれ。草月流第三代家元で映画監督でもある勅使河原宏の次女として生まれる。國學院大學幼児教育専門学校を卒業後、幼稚園教諭を歴て、1985(昭和60)年に草月会に入会。2000(平成12)年から6年間にわたり東京・表参道で『草月・花Avenue』を企画・プロデュース、また東京国際フォーラム、六本木ヒルズなどさまざまな空間で作品を発表。2001(平成13)年に草月流第四代家元を継承。舞台美術、ジュエリーデザインをはじめ様々な分野に活躍の場を広げている。